障がい者グループホームの経営は難しい?
障がい者グループホーム(共同生活援助)をはじめとした障害福祉サービスは、経営を安定化させるまでに多くの労力と時間を必要とします。特に障がい者グループホームは空室が発生した場合の損失が大きく、経営戦略が甘いと容易に失敗しやすい事業です。
そこで今回は、障がい者グループホームの経営を安定化させるポイントを3つ紹介します。「早めに経営を黒字化させたい」「経営失敗は絶対回避したい」という方は、ぜひ参考にしてみてください。
障がい者グループホームの経営を安定化させるポイント
障がい者グループホームの経営ポイントは、主に次の3つです。
障がい支援区分4~6の方を優先的に受け入れる
障がい支援区分が高いということは、より多くの介護サービスなため、自然と報酬額が上がる傾向にあります。また、既存の障がい者グループホームは比較的軽度の方を受け入れているため、本当に支援を必要としている重度障がい者まで手が行き届いていない場合も多いです。
そのため、支援をより多く必要とする中等度~重度障がい者を受け入れることは、福祉事業としての本懐を遂げつつ、収益を確保できる…まさに一石二鳥というべき策となります。
ただし、障がい支援区分4以上の利用者が8割を超えてくると、スプリンクラーや自動火災報知設備の設置が義務付けられる点には注意しましょう。
世話人・生活支援員を確保する
障害支援区分の高い方を受け入れるとなれば、実際に介護をする職員の数もしっかり確保する必要があります。特に世話人は「世話人配置基準」というものがあり、利用者の人数に対して十分な世話人を確保できると、報酬額が上がる加算も。障がい者の人数や支援区分と合わせて、世話人・生活支援員といった職員数にも気を配りましょう。
家賃は3万円前後が相場
障がい者グループホームの家賃が高すぎると、「もっと家賃が安い別の施設へ移る」という障がい者が出てくる恐れがあります。平成31年度の障がい者グループホーム実態調査によると、家賃の月額平均は 「31,162 円」。内訳は、本人徴収が最も高く平均 21,549 円、 国からの家賃助成が平均9,916 円、 自治体からの家賃助成が平均15,142 円となっています。
障がい者グループホームに入所する方の約8割が障害基礎年金を受給しており、その平均受給額が「 73,000円」です。一見すると本人徴収2万円は「余裕なのでは?」と感じることでしょう。しかし、実際には受給額から家賃だけでなく、食費や日用品費、水光熱費なども引かれます。それらを考慮すると、家賃は実態調査の平均額である「3万円前後」が無難であるといえます。
滞納が発生しない家賃設定であれば、長期的な入所による経営の安定化が見込めるため、家賃設定は相場を参考にして専門税理士とよく相談したいところです。
まとめ
障がい福祉サービスの1つである障がい者グループホーム(共同生活援助)は、入所する障がい者の重症度や世話人・生活支援員の人数、家賃設定などが経営の鍵となってきます。経営についてお悩みの方は、障がい者グループホームに強い「障がい福祉専門の税理士事務所」へお早めに相談することをオススメします。
参考文献