生活介護は、日中に介護支援などを提供する障がい福祉サービスです。施設入所者だけではなく、病院から地域へ移行した方からの需要が高く、事業所数が多いサービスでもあります。
しかし、開業の検討を始めたばかりの方からすると、「生活介護とはどのような事業所なのか」など疑問があるでしょう。そこで今回は生活介護とはどのようなサービスなのか、対象者などの基礎知識はもちろん、混同しやすいデイサービスとの違いを紹介します。
生活介護事業所とは?
生活介護事業所とはどのようなサービスか、以下の3つを見ていきましょう。
- サービス体系
- 対象者
- 主なサービス内容
サービス体系
生活介護は、介護給付に含まれる障がい福祉サービスの1つです。障がい福祉サービスは介護給付と訓練等給付(※)の2つに分けられており、前者は介護支援を受ける場合、後者は訓練などの支援を受ける場合に給付されます。
生活介護と同様に介護給付に含まれる障がい福祉サービスは、下表のとおりです。
介護給付 | ||
日中活動系 | 訪問系 | 施設系 |
・生活介護
・短期入所 ・療養介護 |
・居宅介護
・重度訪問介護 ・同行援護 ・行動援護 ・重度障がい者等包括支援 |
・施設入所支援 |
介護給付と訓練等給付とでは利用のプロセスなどが異なるため、混同しないように注意しましょう。
対象者
生活介護の対象者は、地域や入所施設で生活するために支援が必要な方です。障がい種別は問いませんが、年齢と障がい支援区分の条件があります。
障がい支援区分 | ||
通常 | 施設入所支援を併用する場合 | |
50歳未満 | 区分3以上 | 区分4以上 |
50歳以上 | 区分2以上 | 区分3以上 |
施設入所支援を併用する場合は、利用条件の区分が1つずつ上がると覚えておきましょう。
主なサービス内容
生活介護では、主に以下のようなサービスを日中提供します。
- 食事や入浴などの介護
- 生産活動や創作活動機会の提供
- 生活などに関する相談支援 など
日中活動機会を提供する点から就労継続支援と混同されやすい傾向がありますが、生活介護はあくまでも介護を中心としたサービスです。身体機能や生活能力の維持・向上に向けた支援も行うものの、訓練などの比重は就労継続支援よりも少ないといえます。
生活介護とデイサービス(通所介護)との違い
デイサービスは、介護保険サービスに含まれる高齢者向けの通所支援です。対象者は、65歳以上で要介護認定を受けた方となります。つまり、65歳未満で障がいを持った方は原則、デイサービスではなく生活介護を利用します。
とはいえ、高齢になると生活介護からデイサービスへ移行するケースも少なくありません。ただし、慣れ親しんだ事業所を引き続き利用できるよう、平成30年には共生型サービスが誕生しました。
共生型の事業所はまだまだ少ないものの、今後高齢化がさらに進んでいくとともに需要は拡大すると予測されます。
まとめ
生活介護事業所とは、日中に介護や相談支援などを提供する障がい福祉サービスです。需要は非常に多いため、開業準備をしっかり行えば十分収益が期待できます。
指定申請や経営でお悩みの方は、生活介護に強い「障がい福祉専門の税理士事務所」へ早めに相談しましょう。
参考文献
厚生労働省|自己点検チェックのための 生活介護事業ガイドライン案
厚生労働省|障がい福祉サービス等について(6)生活介護42ページ~