放課後等デイサービス(放デイ)をはじめとした障がい福祉サービスでは、利用者がいることではじめて収益が得られます。とはいえ、利用者は多ければ多いほどよいわけではありません。規定の人数を大幅に超過すると、減算が適用されるケースも。
そこで今回は放デイの定員について、現状の定員数や実利用者数を紹介します。定員超過利用減算もあわせて解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
放課後等デイサービスの定員はどれくらい?
放デイの定員について、給付費上の分類や現状の定員数などを見ていきましょう。
給付費上の分類
放デイの給付費における定員の分類は、次の3つです。
- 10人以下
- 11人以上20人以下
- 21人以上
なお、利用定員が多くなるほど、単位数は少なくなります。
現状の定員数
厚生労働省の調査によると、放デイの利用定員は10人が最も多く、84.5%。次いで16~20人が4.9%、5人以下が4.1%となっています。21人以上とする事業所は、2.4%です。
以上を踏まえると、放デイの最もスタンダードな利用定員数は10人といえるでしょう。
実利用者数
厚生労働省の調査によると、令和元年6月の1か月間における放デイの実利用者数は30人以上が最も多く、29.9%。次いで15人未満が21.4%、20~25人未満が17.1%となっています。
以上を踏まえると、利用定員が10名の事業所の場合、2~3倍の利用登録者を確保しているところが多いと推測されます。
放課後等デイサービスで定員超過利用減算が適用されるケース
指定時に申請した利用定員数を大幅に超えると、定員超過利用減算が適用されてしまいます。例外なのが、災害や緊急時などやむを得ない理由がある場合です。
とはいえ、適用されると基本報酬が30%減算されるため、安定的な経営を目指す上では極力避けたいところ。事業者は以下に挙げる減算の条件を、しっかり把握しておきましょう。
1日当たりの利用者数
1日当たりの利用者数が減算対象となるのは、次の2つです。
【利用定員50人以下】
利用者数>利用定員×150%
【利用定員51人以上】
利用者数>(利用定員-50)×125%+75
たとえば、利用定員10人の放デイの場合。
10人×150%=15人
つまり、利用者数が15人を超えると減算対象となります。
直近の過去3か月間の利用者数
直近の過去3か月間の利用者数が減算対象となるのは、次の2つです。
【利用定員11人以下】
過去3か月間の延べ利用者数>(利用定員+3)×過去3か月間の開所日数
【利用定員12人以上】
過去3か月間の延べ利用者数>利用定員×過去3か月間の開所日数×125%
たとえば、利用定員20人、月20日営業の放デイの場合。
(20人+3)×20日×3か月=1,380人
つまり、過去3か月間の延べ利用者数が1,380人を超えると減算対象となります。
まとめ
現状、放デイの定員は10人とする事業所が最も多いものの、利用登録者数はその限りではありません。利用者は定員よりもやや多めに確保し、曜日によって振り分けるなどの工夫も必要です。開業や経営でお悩みの方は、放課後等デイサービスに強い「障がい福祉専門の税理士事務所」へ早めに相談しましょう。
参考文献