60歳以上の利用者がいる障がい者グループホームでは、介護保険サービスに移行すべきか否か、頭を悩ませているところも多いのではないでしょうか。このような問題は「65歳の壁(問題)」と呼ばれ、年々高齢化が進む障がい者グループホームでは全体の課題として捉えられるようになってきました。
そんな問題に対する解決策の1つが、「共生型サービス(グループホーム)」。共生型サービスとは、障がい者と高齢者が一緒に生活するグループホームの形態です。
今回は、共生型サービスの概要や開業する方法を紹介します。
障がい者グループホームの共生型サービスとは
障がい者グループホームをはじめとした障がい福祉サービスでは、原則として、65歳以上の障害者は介護保険サービスの適用が優先されます。しかし、利用を継続していた障がい者グループホームから、いきなり介護保険サービスの施設に入所することは、利用者はもちろん、支援者の戸惑いも少なくありません。
その戸惑いをなくし、サービスの質の維持・向上を図るのが「共生型サービス」。共生型サービスは、同事業所から障がい福祉サービス・介護保険サービス、どちらも受けることができるようになる制度となっています。
事業所を変えずに、今までと同じようなサービスを受けることができるため、利用者の満足がいくサービス提供が可能となるのです。
共生型サービスのグループホームは富山県が先駆けとなり、宮城県にも複数開業しています。利用者の高齢化がさらに進むことを考えると、今後、共生型サービスが徐々に増加していくと予測されます。
障がい者グループホームの共生型サービスを開業するためには
共生型サービスの開業は、障がい福祉サービスまたは介護保険サービスのいずれかにおいて指定を受けてから、もう一方の指定を受けるケースがほとんどです。障がい福祉サービス事業所であれば、介護保険事業所の指定が受けやすくなる特例があり、逆もまたしかり。一度に両方の指定を受けられるように準備するよりも、スムーズに開業できるでしょう。
また、各種指定基準では、障がい者グループホームと高齢者グループホームとで兼用できる部分があります。例えば、管理者は障がい者グループホームと介護保険サービス、両方を兼務可能。ただし、その他の職員は、障がい者と高齢者の合計に応じた人員配置が必要です。
さらに、食堂や相談室、トイレ、洗面所など、基準上規定がある設備は共用可能となっています。
まとめ
共生型サービスは、高齢化する障がい者グループホームの利用者に対して、継続的に満足できる支援を提供できるサービス形態です。利用者の確保や維持についてお悩みの方は、障がい者グループホームに強い「障がい福祉専門の税理士事務所」へお早めに相談することをオススメします。
参考文献