令和6年度の報酬改定では居宅介護の加算・減算も見直され、情報収集と対応に追われている事業者が多いでしょう。これから開業する方も、スムーズな運営と経営安定のためには、加算・減算についてよく理解しておくことが必要です。
そこで今回は居宅介護で算定できる加算と適用されうる減算を、それぞれ一覧として紹介します。
居宅介護の加算一覧
居宅介護で算定できる加算は、以下の11です(★は令和6年度の報酬改定で見直しがあった加算)。
- 初回加算
- 利用者負担上限額管理加算
- 福祉専門職員等連携加算
- 福祉・介護職員等処遇改善加算★
- 福祉・介護職員処遇改善加算★
- 福祉・介護職員等特定処遇改善加算★
- 福祉・介護職員等ベースアップ等支援加算★
- 特定事業所加算
- 特別地域加算
- 緊急時対応加算
- 喀痰吸引等支援体制加算
なかでも、9.と10.は居宅介護をはじめとした訪問系サービスならではの加算です。また、以下の場合は基本報酬にプラスアルファの報酬が上乗せされます。
- 2人の居宅介護従業者で支援した場合
- 夜間・早朝・深夜に支援した場合
ただし、人員数が指定基準ギリギリでは、サービス時間を拡大しても従業員の負担が大きくなるばかりです。最悪の場合、離職につながりかねないため、サービスの拡充を図る際は人員確保も同時に進めましょう。
居宅介護の減算一覧
居宅介護で適用されうる減算は、以下の4つです(★は令和6年度の報酬改定で見直しがあった減算)。
- 身体拘束廃止未実施減算★
- 虐待防止措置未実施減算★
- 業務継続計画未策定減算★
- 情報公表未報告減算★
いずれの減算も要件や減算率などに見直しがかかったため、開業者だけではなく事業者も改めて確認するとよいでしょう。また、以下に該当する場合も、基本報酬が通常よりも少なく算定されます。
- 基礎研修課程修了者等が支援した場合
- 重度訪問介護研修修了者が支援した場合
- 事業所と同一建物の利用者、または同一建物の利用者20名以上に支援した場合
とくに1.は減算率30%と差し引かれる額が大きいため、経営に響かないよう減算の適用を回避していきましょう。
まとめ
居宅介護の加算・減算は、入所系・通所系サービスよりは少ないのが現状です。その分、上手に加算を算定し、減算を回避することが経営安定化において必須となります。
開業準備や経営でお悩みの方は、居宅介護に強い「障がい福祉専門の税理士事務所」へ早めに相談しましょう。
参考文献