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障がい福祉における訪問系サービスのうち、もっとも対象者が多いのが居宅介護です。地域からの需要が高いうえ、配置する職種が少ないことから、比較的開業しやすいサービスの1つとなっています。

そこで今回は居宅介護事業所の基礎知識として、対象者やサービス内容などを紹介します。

居宅介護事業所とは

居宅介護事業所について、以下の4つを見ていきましょう。

対象者

居宅介護の対象者は基本的に、障がい支援区分が1以上の障がい者です。障がい児も、区分1相当の支援が必要な者であれば、居宅介護を利用できます。

なお、次項で紹介するサービス内容のうち、身体介護を伴う通院等介助を受ける場合は、以下の要件を満たす必要があります。

  • 障がい支援区分が2以上
  • 障がい支援区分の認定調査項目で、所定項目のいずれか1つ以上認定

認定調査の該当項目は、下表のとおりです。

全面的な支援が必要 部分的な支援が必要 見守り等の支援が必要
歩行
移乗
移動
排尿
排便

たとえば、区分2以上で「歩行に全面的な支援が必要」と認定されている場合は、身体介護を伴う通院等介助を利用できます。

サービス内容

居宅介護のサービス内容は、以下の5つです。

  • 食事や入浴などの身体介護
  • 調理や洗濯などの家事支援
  • 通院時や通院で利用する移動手段での乗降介助
  • 生活などに関する相談や助言
  • その他生活全般に関する支援

なお、基本報酬では、サービス内容が以下の5つに分類されています。

  • 居宅における身体介護
  • 通院等介助(身体介護を伴う)
  • 通院等介助(身体介護を伴わない)
  • 家事援助
  • 通院等乗降介助

利用料

居宅介護の利用料は原則、1割負担です。サービス内容や利用時間によって異なりますが、もっとも安いもので1回あたり106円〜となっています。

なお、居宅介護をはじめとした障がい福祉サービスでは、厚生労働省によって月々の利用料に上限が設けられています。

所得区分 世帯の収入状況 負担上限月額
生活保護 生活保護受給世帯 0円
低所得 市町村税非課税世帯※1 0円
一般1 市町村税課税世帯※2 9,300円
一般2 上記以外 37,200円

※1障がい者基礎年金1級を受給している3人世帯で、収入がおおむね300万円以下の場合

※2収入がおおむね670万円以下の場合(20歳以上の施設入所者やグループホーム利用者は一般2に該当)

障がい児・障がい者の違いで世帯の範囲が異なってくる点にも留意しましょう。

世帯の範囲
18歳以上の障がい者

(施設入所している18歳・19歳を除く)

障がい者とその配偶者
18歳以上の障がい者

(施設入所している18歳・19歳を含む)

保護者が属する住民基本台帳の世帯

人員配置基準

居宅介護の人員配置基準は、下表のとおりです。

職種 人数
管理者 常勤1人以上(※)
サービス提供責任者(サ責) 常勤1人以上(※)
従業者 常勤換算で2.5人以上

※業務に支障がなければ兼務可能

なお、サ責や従業者には資格要件があり、減算を避けるうえでもキャリアアップの支援体制を構築することが大切になります。

 

 

まとめ

居宅介護は対象者が幅広く、サービス内容も多岐にわたります。開業や指定申請でお悩みの方は、居宅介護に強い「障がい福祉専門の税理士事務所」へ早めに相談しましょう。

参考文献

厚生労働省|居宅介護に係る報酬・基準について≪論点等≫

厚生労働省|障がい福祉サービスについて

厚生労働省|令和6年度障がい福祉サービス等報酬改定について

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