児童発達支援事業所を開所するには、人員・設備・運営面の3つの指定基準をクリアする必要があります。今回は、児童発達支援事業所の設備基準をピックアップ。必要な設備や、設備基準に関する法律について紹介します。
児童発達支援事業所の設備基準
児童発達支援の設備基準は、次のとおりです。
最低定員
児童発達支援事業所の最低定員は、10名。ただし、主として重症心身障害児を対象にする場合、5名となります。
必要設備
必要設備は、以下のとおりです。
- 指導訓練室
- 相談室
- 洗面所
- お手洗い
- 事務室
指導訓練室の広さについて、児童発達支援事業所には基準が定められておりません。しかし、児童発達支援センターでは子ども1人につき2.47㎡、自治体によっては3㎡を基準にしているところもあります。
また、子ども達が生活する空間では、子どもの特性や体調に配慮した対応をする必要があります。室内の装飾や設備のレイアウトなども工夫し、子ども達が心地よく過ごせる空間作りをしましょう。
児童発達支援の設備基準に関連する法律
児童発達支援の設備基準に関連する法律は、消防法と建築基準法の2つがあります。
消防法
児童発達支援事業所は消防法上の分類では「6項ハ」に該当し、次に挙げるような消防設備や耐火性能が必要です。
【全ての建築物で必要】
- 自動火災報知設備
- 誘導灯
【条件によっては必要】
- 消火器(延べ面接150㎡以上)
- 屋内消火栓設備(延べ面接700㎡以上)
- スプリンクラー設備(床面積合計6,000㎡以上)
- 自動火災報知設備(入居・宿泊なし、延べ面積300㎡以上)
- 漏電火災警報器(延べ面積300㎡以上)
- 火災通報装置(延べ面積500㎡以上)
- 非常警報設備(収容人数50人以上)
- 避難器具(20人以上/下階に病院や診療所、公衆浴場、工場または作業場、自動車車庫または駐車場、倉庫などがある場合は10人以上)
なお、消防設備は半年に1回は簡易な点検、1年に1回は総合点検を実施しなければなりません。また、消防設備を整えるほかにも、耐火性能のある間仕切壁や排煙設備を設置し、防火区域の確保も重要です。
構造などによって設備基準が異なる場合もあるため、管轄の消防署へあらかじめ確認しておくとよいでしょう。
建築基準法
児童発達支援に使用する建物は、建築基準法の基準を満たす必要があります。たとえば、建物の採光や換気窓の条件も含まれます。
また、空き物件やテナントを使用する場合、広さによっては用途変更の確認申請(用途変更手続き)が必要です。手続きについては自治体によって扱い方が異なるケースもあるため、管轄の行政庁へ必ず確認しましょう。
まとめ
児童発達支援を開業するためには、設備や備品、人員などのほかにも法的な設備基準もクリアする必要があります。開業準備や指定申請でお悩みの方は、児童発達支援に強い「障がい福祉専門の税理士事務所」へ早めに相談しましょう。
参考文献