居宅介護はサービス内容によって、基本報酬の区分が15分刻みあるいは30分刻みとなっています。しかし、サービス提供回数が多く、時間が長くなるほど、基本報酬が高くなるとは限りません。
場合によっては2時間ルールが適用され、実質的な収入減となるケースもあります。そこで今回は居宅介護における2時間ルールとは何か、適用条件や例外などを紹介します。
居宅介護の2時間ルールとは?
居宅介護の2時間ルールとは、1日の間に複数回の身体介護あるいは家事援助を算定する場合、その間を2時間以上空けるという定めです。1人の障がい者に対して過度にサービスを提供しないよう、定められています。
サービス提供の間隔が2時間未満の場合は、1つのサービスとして見なされます。たとえば、以下のような場合は2時間ルールの適用内です。
サービス提供時間 | サービス内容 |
11:00~12:00 | 身体介護 |
13:00~14:00 | 身体介護 |
上記の場合、「2.0時間のサービスを1回提供した」と見なされます。基本報酬として計算すると、下表のように差額が生じます。
1.0時間を2回提供できた場合 | 2.0時間を1回提供した場合 |
報酬単価×回数×地域区分(10円)
=587単位×2回×10円 =11,740円 |
報酬単価×回数×地域区分(10円)
=754単位×1回×10円 =7,540円 |
2時間ルールが適用されると、サービス提供時間が伸びても報酬に還元されにくくなるため、注意しましょう。
居宅介護の2時間ルールが適用されない例外
居宅介護の2時間ルールは、以下の場合は適用されません。
- 身体状況により、短時間の間隔でサービス利用が必要な場合
- 別の事業者が身体介護または家事援助を提供する場合
たとえば、ALS(筋萎縮性側索硬化症)の方や呼吸器を利用する方など、重度障がい者は2時間未満かつ複数回の利用を必要とするケースが多いため、適用範囲外です。
ただし、そのような方は重度訪問介護の対象にもなってくるため、例外の適用はあまり多くないといえるでしょう。
まとめ
居宅介護の2時間ルールとは、サービス提供の間隔が2時間未満の場合に1つのサービスとして見なされる定めを指します。経営や加算の算定でお悩みの方は、居宅介護に強い「障がい福祉専門の税理士事務所」へ早めに相談しましょう。
参考文献