就労移行支援では、精神障がいを抱えた人の利用も多くなっています。開業を検討している方の中には「精神障がい者に対して、どのようなサポートすればよいのか」などと悩む方もいるでしょう。
そこで今回は、就労移行支援における精神障がい者への支援方法について紹介します。
精神障がいの種類とは?
まずは精神障がい者がどのような場面に課題を感じているか、基礎知識を踏まえながら見ていきましょう。
精神障がいの種類
精神障がいとは、脳内の情報を伝達する物質のバランスが何らかの原因によって崩れることから発症する精神疾患の総称です。種類の例としては、以下のようなものが挙げられます。
- 双極性障がい(躁うつ病)
- 統合失調症
- 不安障がい
- 適応障がい
- パニック障がい など
感情や行動のコントロールが難しく、生きづらさを感じる人も少なくありません。
精神障がい者が就労面で抱えている問題
精神障がい者は、環境の変化がストレスになりやすい傾向があります。たとえば、人事異動や体制変更などによる環境変化は、体調を崩す原因の1つです。
このような方々は就労移行支援に通所しながら、セルフコントロールのすべを学んだり、自分に合った職場を探したりすることが大切になります。実際、厚生労働省の調査によると、精神障がい者の利用者数は下表のように増加中です。
精神障がい者の人数(割合) | 利用者合計 | |
平成26年度 | 13,234人(46.4%) | 28,529人 |
平成27年度 | 15,619人(51.1%) | 30,580人 |
平成28年度 | 17,168人(54.2%) | 31,679人 |
平成28年度では、精神障がい者が全利用者の5割以上を占めています。今後も需要は高まると推測されるため、精神障がい者に対する支援スキルの獲得は事業所における必須事項の1つといえるでしょう。
就労移行支援における精神障がい者へのサポート方法
就労移行支援における精神障がい者へのサポート方法は、主に以下の3つです。
利用者自身の障がいの症状・程度の理解をすすめる
同じ診断名でも、人によって症状の種類や程度は異なります。まずは利用者が自分の障がいについて理解できているか、周りの人に説明できるかどうかを確認していきましょう。これは就労の目的だけではなく、自己理解にもつながります。
最初から正規雇用を目指すかどうか一緒に考えていく
次に、最初から正規雇用を目指すかどうかを一緒に考えていきます。長く働き続けるためには、自分に合った職場探しが重要です。はじめから正規雇用を目指すのではなく、アルバイトやパート勤務といったシフト制の勤務を目指すのも1つの方法となります。
また、一般企業への就職が難しい場合には、事業所と雇用契約を結んで賃金を得られる就労継続支援A型も選択肢として考えるとよいでしょう。
障がい者枠と一般枠のどちらで就職するか決める
最後に、障がい者枠と一般枠のどちらで就職するかを利用者に確認して支援していきます。
障がいをオープンにする場合は、職務内容や勤務形態に配慮を受けられます。
一方、一般枠はクローズ枠と呼ばれ、求人数が多く給与水準が高い点が特徴です。利用者一人ひとりの意向や能力を踏まえて、就職先を選んでいきましょう。
まとめ
精神障がい者に対しては自己理解を促し、自身の症状とうまく付き合いながら仕事ができるようなサポートが重要です。集客や運営でお悩みの方は、就労移行支援に強い「障がい福祉専門の税理士事務所」へお早めに相談することをオススメします。
参考文献