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児童発達支援の開業時には、法人格の設立が必要です。厚生労働省の実態調査によると、合同会社をはじめとした営利法人が児童発達支援の経営主体となっているケースは、全体の14.0%となっています。

そこで今回は、営利法人の中の合同会社を取り上げてメリット・デメリットや設立の流れを紹介します。

児童発達支援で合同会社を設立するメリット・デメリット

児童発達支援の開業で合同会社を選ぶメリット・デメリットは、それぞれ次のとおりです。

メリット

合同会社を設立するメリットは、主に次の3つになります。

 

  • 株式会社に比べて設立コストがかからない
  • ランニングコストが低い
  • 設立期間が短期間で済む

 

合同会社の設立コストは7万円程度となり、株式会社の30万円前後に比べて圧倒的に低予算で済みます。さらに、役員の任期を設ける必要がない分、任期終了時の重任登記の費用(1万円)もかからず、ランニングコストを低く抑えられます。

設立期間が短い点も、大きな魅力です。株式会社の場合は設立に約1ヶ月かかるところを、合同会社は1週間程度と短期間で設立できます。「低コストかつスピーディーに法人を設立したい」という方に、おすすめの法人といえるでしょう。

デメリット

合同会社のデメリットは、株式会社に比べると認知度や社会的信用が高くない点にあります。また、合同会社は株式会社と異なり、銀行の融資審査が厳しいことや株式発行ができないなど、資金調達が難航してしまう点もデメリットです。

さらに、合同会社は出資者全員が経営権を持つため、出資者が多ければ意見の相違などのトラブルによって意思決定に時間がかかることもあるでしょう。

児童発達支援で合同会社を設立する流れ

合同会社を設立する流れは、基本的には株式会社の場合と変わりません。しかし、定款の認証が必要ないなど、株式会社より簡単に作成できます。具体的な設立の流れは以下のとおりです。

①設立項目の決定

まずは設立に必要な項目を決定します。設立項目は、以下のとおりです。

 

  • 会社名
  • 事業目的
  • 所在地
  • 資本金の準備
  • 代表社員(株式会社の代表取締役にあたる)
  • 決算月

 

記載されていない事業はおこなえないため、とくに事業目的は書き漏れなどがないように注意しましょう。

②必要書類の準備

設立項目を決定したら、法務局へ登記申請するための必要書類を準備します。必要書類は、以下のとおりです。

 

  • 定款:会社のルールブックのようなもの
  • 印鑑届出書:会社の実印の印鑑届出書
  • 社員全員の印鑑登録証明書:社員=出資者
  • 払込証明書:資本金を会社口座へ払い込んだ証明書(通帳コピーでOK)
  • 登記申請書:合同会社設立の登記申請書

 

定款は株式会社のような株式構成や譲渡制限といった項目がないため、比較的簡単に作成できます。

③法務局へ必要書類の提出

必要書類がそろったら、管轄の法務局へ提出します。書類に不備がなければ、提出後1週間前後で登記完了です。

④関係各所へ届出する

合同会社が設立できたら、以下の関係各所へ届出をします。

 

  • 税務署
  • 地方自治体
  • 年金事務所
  • 労働基準監督署
  • 公共職業安定所(ハローワーク)

 

それぞれ「設立後から〇日以内」といった提出期限があるため、注意が必要です。必要書類が準備でき次第、すみやかに提出するのが望ましいでしょう。

まとめ

合同会社は設立コストが低く抑えられるうえ、短期間で設立できるため児童発達支援の開業でもおすすめの法人です。開業準備や指定申請でお悩みの方は、児童発達支援に強い「障がい福祉専門の税理士事務所」へお早めに相談することをオススメします。

参考文献

児童発達支援ガイドライン|厚生労働省

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