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児童発達支援の経営で避けたいのが、減算による収益減です。とくに、身体拘束未実施減算は経過措置の期間がまもなく終わるため、早急に体制を整える必要があります。

そこで今回は児童発達支援の身体拘束未実施減算の概要や、全国の適用状況などについて紹介します。

児童発達支援の身体拘束廃止未実施減算とは?

本減算の要件や減算率は、それぞれ次のとおりです。

減算の要件

次の要件のうち、1つでも該当すると減算が適用されます。

 

  1. 身体拘束等を行っているにもかかわらず、必要事項を記録していない
    1. 身体拘束の実施方法や時間
    2. 利用者の心身の状況
    3. 緊急やむを得ない理由
    4. その他必要な事項
  2. 身体拘束廃止に向けた対策を検討する委員会を1年に1回以上開催していない

 

  1. 身体拘束等廃止に向けた指針を整備していない
  2. 従業者に対し、身体拘束廃止に関する研修を定期的に実施していない

 

2.~4.の要件は経過措置が設けられていますが、令和5年4月から適用開始となります。適用まで猶予がないため、体制が整っていない事業所は早急に取りかかりましょう。

減算率

身体拘束未実施減算の減算率は5単位/日であり、利用者全員の基本報酬が対象となります。身体拘束が改善されるまで減算は続くため、万が一適用になった場合は早期に解決したいところです。

児童発達支援における身体拘束未実施減算の現状

ここでは、児童発達支援における本減算の現状について見ていきましょう。

創設による意識の変化

意識の変化について自治体が回答した調査では、「それほど変化を感じていない」が64.2%ともっとも多くなっています(参考:厚生労働省の実態調査)。しかし、高くなっていると感じている自治体も3割ほどあり、次のような変化を感じているようです。

 

  • 身体拘束に関する問い合わせや質問が増えた
  • 身体拘束の適正化に向けた取り組みを始める事業所が増えた
  • 届出や報告で、身体拘束に関する事項が詳しく記載されるようになった など

 

令和5年4月からはすべての要件が経過措置から外れるため、今後ますます意識の変化が出てくるでしょう。

減算の適用状況

平成30年4月~平成31年1月における、身体拘束未実施減算の適用状況は下表のとおりです。

 

全事業所数 適用事業所数 割合
児童発達支援 6,428 4 0.06%
医療型児童発達支援 97 1 1.03%
放課後等デイサービス 13,105 26 0.20%
障がい児入所支援 186 0 0.00%
医療型障がい児入所支援 190 1 0.53%

 

児童発達支援の減算適用はごくわずかですが、経過措置の終了とともに増える可能性があります。事業者は利用者が安心・安全に過ごせるよう、環境づくりや職員教育に力を入れていきましょう。

まとめ

身体拘束未実施減算は児童発達支援では少ないものの、引き続き適用に注意したい減算の1つです。経営や運営でお悩みの方は、児童発達支援に強い「障がい福祉専門の税理士事務所」へお早めに相談することをオススメします。

参考文献

児童発達支援ガイドライン|厚生労働省

令和3年度障がい福祉サービス等報酬改定について|厚生労働省

障害福祉サービス事業所等における身体拘束等に関する実態調査|厚生労働省

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