児童発達支援は対人サービスゆえに、苦情が入ってくることがあります。このような苦情は利用者や保護者の意見・要望として真摯に受け止め、支援の質の向上につなげることが大切です。
そこで今回は児童発達支援における苦情対応や、具体的な例を紹介します。
児童発達支援の苦情対応
児童発達支援における苦情対応の流れと心構えを理解しておくことは、苦情をすみやかに解決するために重要です。今後起こりうる利用者の不安や不満を防ぐことにもつながります。ここでは、苦情対応の流れと心構えを見ていきましょう。
苦情対応の流れ
苦情対応のおおまかな流れは、次のとおりです。
- 苦情解決の仕組みを周知する
- 苦情を受け付ける
- 事実確認と解決への検討と対応を実施する
- 申出人への事情説明と話し合いをおこなう
- 再発防止のために職員間で共有し、利用者へ公表する
苦情の早期解決のためには、責任者や受付担当者を決めておく必要があります。また、苦情を申し出る仕組みがあることを書面や掲示物で利用者に伝えるとともに、不安や不満を言いやすい関係・環境も作っていきましょう。
苦情対応における心構え
苦情対応で大切な心構えは、主に次の5つです。
- 迅速かつ丁寧な対応を心掛ける
- 誠実な態度で傾聴の姿勢で対応する
- たらい回しにしない
- 相手の話を否定したり、言い訳や弁解・反論・責任転嫁しない
- 不当な要求には毅然とした態度で臨む
苦情は初期対応が悪いと、こじれてしまう可能性があります。早期に解決し利用者や保護者と良好な関係を維持するためにも、誠実な対応と事実確認の徹底が大切です。
児童発達支援に寄せられた苦情の例
実際に児童発達支援へ寄せられた苦情の例は、次のようなものがあります。
- 壊れた椅子の弁償を求められて納得がいかない
- 送迎時の職員報告が不十分で不満がたまっている
- 職員の言動が不適切でとても不快に感じた
- 連絡帳の記入が不足していて支援内容がわからず不安になった
- 支援中にケガをしたが謝罪も説明もなく怒りをおぼえた
これらの苦情に共通している点が次の3つです。
- 職員の確認不足
- 利用者への配慮・説明不足
- 職員の知識不足
今後の苦情を生みださないために、とくに次の4点に気をつけましょう。
- 利用者とのコミュニケーションを欠かさない
- 日々の支援記録を記録して活かしていく
- 起こってしまって苦情に対して職員が1人で抱え込まないようにする
- 心にゆとりを持って対応する
利用者との信頼関係を構築しつつ、職員同士が話しやすい環境を作り、苦情へ発展する前に事態の把握・解決に努めていきたいところです。
まとめ
児童発達支援に寄せられた苦情には迅速かつ丁寧に対応することで、支援の質の向上にもつなげられます。運営や経営でお悩みの方は、児童発達支援に強い「障がい福祉専門の税理士事務所」へ早めに相談しましょう。
参考文献