児童発達支援のような障がい福祉サービスを利用する際、必ず作成する必要があるのが個別支援計画です。この計画を立案するにあたり、児童発達支援管理責任者(児発管)には障がい児の状況について情報収集・評価する「アセスメント」が求められます。
そこで今回は児童発達支援のアセスメントとは何か、その重要性を踏まえながら具体的な評価項目や方法について紹介します。
児童発達支援でアセスメントが重要な理由
児童発達支援でアセスメントが必要な理由は、単に個別支援計画の作成で必要だからというだけではありません。障がい児の状況を正確に把握し、適切な支援に還元するために大切なのです。
児童発達支援のような障がい児を対象とするサービスは、成人した障がい者を対象とするサービスとはまた違った特徴を持ちます。
- 関わる集団や機関が多様(家庭、病院、保育所、学校など)
- 利用者が低年齢なほど、家族支援にかける時間も重要
- 幼児期、学童期の関わり方が青年期以後の生活に大きく影響 など
つまり、障がい児が感じる「生きやすさ」を少しでも減らし、保護者ともども充実した生活を送るためには児童発達支援による質の高い支援が必要です。その起点となり土台ともなり得るのが、個別支援計画を作成する前に実施するアセスメントになります。
児童発達支援のアセスメント項目
児童発達支援でアセスメントする項目は、おもに次のようなものです。
- 障がい特性
- 心身機能
- 生活能力
- 取り巻く環境(家庭、地域社会) など
厚生労働省の児童発達支援ガイドラインでは、5領域30項目の支援内容を提示しています。児童発達支援の児発管はそれらにもとづき、1つひとつアセスメントして情報を整理していきましょう。
児童発達支援のアセスメント方法
アセスメントのおもな手段は、次の3つです。
- 家庭訪問
- 面談
- 関係機関からの情報収集 など
このとき注意したいのが、当事者である児童をないがしろにしないということ。「まだ子どもだから」「障がい児だから」と本人の意向を確かめず、意志表出の機会を奪うのは望ましくありません。
将来的に本人なりの充実した自立生活を送れるようにするためにも、早期から自己決定や自己選択の力を育てていくことが必要です。言語での意志表出が難しい障がい児でも、表情や態度の観察、筆談やジェスチャーなどの代替手段で気持ちをくみ取ることはできます。家庭訪問や面談時は、可能な限り本人とコミュニケーションする時間も設けましょう。
まとめ
児童発達支援のアセスメントは個別支援計画作成前の準備としてだけでなく、質の高い支援に還元するという意味でも重要な工程です。運営や書類の作成でお悩みの方は、児童発達支援に強い「障がい福祉専門の税理士事務所」へお早めに相談することをオススメします。
参考文献