放課後等デイサービス(放デイ)の運営で必要なマニュアルのひとつに、防犯マニュアルがあります。事業者は利用者と職員の安全を確保するために、防犯対策の検討と実施が不可欠です。
そこで今回は放デイの防犯対策について、基本的な方針や具体的な対策のほか、マニュアルに記載する項目を紹介します。
放課後等デイサービスが講じる防犯対策
まずは、放デイが講じる防犯対策の基本的な方針や、具体的な内容を見ていきましょう。
基本的な方針
放デイの防犯対策における基本方針は、おもに次の3つです。
- 防犯マニュアルの策定と周知
- 地域住民(関係機関や団体など)と連携した見守り
- 子どもが自分の身を守れるような防犯に関する学習支援 など
防犯マニュアルについては、次項の「放課後等デイサービスの防犯マニュアルに記載する内容」を参考にしてみてください。
具体的な防犯対策
放デイの具体的な防犯対策としては、次のようなものが挙げられます。
防犯対策 | |
出入口 | ・ドアや窓は原則として常時施錠し、外から開錠できないようにする
・行事などで解放する場合は、来訪者にあらかじめ防犯対策に関する注意事項を周知する(パンフレットなど) ・出入口周辺は整理整頓を心がけ、見通しと避難経路を確保する ・防犯ガラスへ変更する、あるいは防犯フィルムを貼る |
事業所周囲 | ・侵入の足場となる物を置かない
・防犯カメラを設置する(とくに死角) |
職員の対応 | ・来訪者にはハッキリとした声であいさつする(強い意志のない不審者はこの時点で去る可能性が高い)
・身元が明らかでない来訪者は、窓越しあるいはインターホン越しで対応する ・事前に来訪がわかっている方については、職員間で情報共有する ・退職者から鍵を回収する、あるいは鍵を変える |
とくに設備に関しては運営途中で変更すると追加費用がかかるため、開業時点である程度整えておきたいところです。
放課後等デイサービスの防犯マニュアルに記載する内容
放デイの防犯マニュアルには、おもに次のような内容を記載します。
- 防犯対策の基本方針
- 防犯対策(設備や職員の対応など)
- 緊急時対応の流れや役割分担 など
たとえば、緊急時対応の流れや役割分担については、各段階で具体的な内容を示すとよいでしょう。
通報・周知 | ・110番通報
・緊急事態が発生している旨の周知 など |
隔離と安全確保 | ・不審者への説得や移動の阻止、防御
・利用者の避難誘導 ・地域との連携 など |
被害者の確認と対応 | ・負傷者がいる場合は119番通報
・応急措置や心のケア など |
事後処理 | ・発生状況の整理や報告
・保護者への説明 ・再発防止策の検討 など |
まとめ
放デイの防犯対策は利用者と職員の安全を守り、事業を継続していく上で必要不可欠です。とはいえ、きちんとした設備には相応の費用がかかります。開業準備や資金調達でお悩みの方は、放課後等デイサービスに強い「障がい福祉専門の税理士事務所」へ早めに相談しましょう。
参考文献