障がい者の重度化・高齢化が、ますます進むことが予想されている昨今。障がい者グループホームにおいても、障がい者の重度化・高齢化への対応が求められ、令和3年度の報酬改定では重度障害者支援加算の見直しがされました。
今回は、重度障害者支援加算について、改定された算定条件や算定時の注意点を紹介します。
障がい者グループホームの「重度障害者支援加算」算定条件
重度障害者支援加算とは、重度障がい者への支援を評価し、報酬を付与する制度です。令和3年度の報酬改定で、重度障がい者への支援の評価が見直されました。それぞれの算定条件は、次のとおりです。
重度障害者支援加算Ⅰ型:360単位/日
対象者は「障がい支援区分6」「意思疎通が著しく困難」「寝たきり状態にある方(四肢の麻痺や人工呼吸器使用、重度知的障がいなど)」。
資格要件は次の2種類です。また、人員配置基準以上の生活支援員を配置することも共通要件となっています(例:人員配置基準1.2人→1.3人でクリアなど)。
- サービス管理責任者(以下、サビ管)あるいは生活支援員のうち1名以上が、下記の研修を修了
①強度行動障害支援者養成研修(実践)
②行動援護従業者養成研修
③喀痰吸引等研修(2号)
実際に行動障がい者がいる場合は、支援計画シートを作成します。
- 生活支援員のうち20%以上が、下記の研修を修了
①強度行動障害支援者養成研修(基礎)
②重度訪問介護従業者養成研修
③行動援護従業者養成研修
④喀痰吸引等研修(3号)
重度障害者支援加算Ⅱ型:180単位/日
対象者は「障がい支援区分4かつ強度行動障がい者」「認定調査項目で行動障がい関連の項目が合計10点以上」。実際に行動障がい者がいる場合は支援計画シートを作成します。
資格要件は次の2種類です。また、重度障害者支援加算Ⅰと同様、人員配置基準以上の生活支援員を配置することが共通要件。
- サビ管あるいは生活支援員のうち1名以上が、下記の研修を修了
①強度行動障害支援者養成研修
②行動援護従業者養成研修
- 生活支援員のうち20%以上が、下記の研修を修了
①強度行動障害支援者養成研修(基礎)
②重度訪問介護従業者養成研修
③行動援護従業者養成研修
障がい者グループホームの「重度障害者支援加算」注意点
重度障害者支援加算を算定する際には、次の5点に注意していきましょう。
・サビ管と生活支援員を兼務している場合でも、別個に数える
・実際の人数で計算する(常勤換算は適用しない)
・研修受講後ではなく、研修受講計画を提出後から算定できる(ただし、計画に記載した年度内に研修を受講する必要あり)
・外部サービス利用型でも、居宅介護を利用しない日は算定可能
まとめ
障がい者の重度化・高齢化への対応は、障がい者グループホームにおいても今後の大きな課題となることが予測されます。重度障がい者を受け入れる際には、重度障害者支援加算をしっかり算定しておきたいところです。加算についてお悩みの方は、障がい者グループホームに強い「障がい福祉専門の税理士事務所」へお早めに相談することをオススメします。
参考文献