障がい者グループホームはトラブルがいっぱい?
障がい者グループホーム(共同生活援助)では、金銭トラブルや人間関係のトラブルが発生することが珍しくありません。障がい福祉サービスの中でも、地域の中で生活する分、ご近所トラブルが発生することも。
そこで今回は、障がい者グループホームにまつわるトラブルの例と未然に防ぐ方法を紹介します。
障がい者グループホームで起きるトラブルの例
障がい者グループホームで発生しやすいトラブルは、主に次の3つです。
利用者の私物やお金が無くなった
「私の物がない!」「お金が減っている…」というトラブルは、あってはならないこととはいえ、比較的発生しやすいといえるでしょう。
このようなトラブルを未然に防ぐためには、「私物には全て名前を書く」「大切なものは鍵付きのケースに保管する」など、厳重な管理体制を整えることが大切です。金銭に関しては、障がい者グループホームの職員(管理者やサビ管)が「預り金規程」にもとづいて管理するのも1つの方法。「預り金規定」にはハンコや通帳などの管理方法、ダブルチェック、本人確認などを記載し、それらを常に守るように義務付けます。家族による管理、あるいは後見人制度や権利擁護事業の活用も視野に入れても良いでしょう。
また、金銭を利用者が自己管理している場合も、金銭トラブルに巻き込まれていないか注意してみてください。「実は詐欺に巻き込まれていた」なんてこともあるため、特に家賃や水光熱費の滞納が生じた場合は現状を把握し、必要に応じて関係機関へ相談するようにしましょう。
ご近所トラブルが発生した
障がい者グループホームは街中に設立することが多く、大声や騒音があるとご近所からクレームが入る場合があります。利用者の障がい特性によっては防ぎきれない大声もあるため、開業前に周辺住民の理解を得られるよう、丁寧に説明することが大切です。また、日頃から良好な関係を築けるように、挨拶などの基本的なことはもちろん、施設行事などで積極的に地域交流を図りましょう。
一方、都市部では、マンションで障がい者グループホームを運営するところもあります。しかし、「法人が入居者を募って事業を行うことは、管理規約に反する」として使用禁止と違約金の支払いが生じた例も。マンションの住人と障がい者グループホームが対話でき、地域との共生が実現できる環境作りは、今後も行政に求めていきたいところです。
利用者への虐待が発覚した
障がい者グループホーム内のトラブルで最も回避したいのが、「利用者への虐待」。虐待を未然に防ぐためには、虐待防止委員会や虐待防止責任者を設置することはもちろん、マニュアルを作成して全職員へ周知したり、施設内研修などを実施したりする必要があります。万が一、虐待を見かけたときには、市町村へ通報する義務があることも指導しましょう。
同時に、職員のストレスチェックや職場環境の改善も検討します。虐待が起きる原因が、劣悪な職場環境による過大なストレスにあるケースも少なくないからです。
まとめ
障がい者グループホームのトラブルは、大なり小なり起きるものであり、「全くのゼロ」ということはありません。大切なのは、トラブルの予防法や対処法をしっかり考えておくこと。開業・運営時のトラブルについてお悩みの方は、障がい者グループホーム(共同生活援助)に強い「障がい福祉専門の税理士事務所」へお早めに相談することをオススメします。
参考文献