障がい者グループホームの人員配置基準とは
障がい福祉サービス事業の1つである「障がい者グループホーム(共同生活援助)」は、開設時に一定の人員を確保する必要があります。ただし、入所する障がい者の人数によって、必要人員の数が異なってくる職種も。
そこで今回は、障がい者グループホームの人員基準について、必要な職種や人数、資格要件などを紹介します。
管理者
障がい福祉サービス事業を開業する上で、必ず必要になってくるのが「管理者」。従業員や施設全体の業務管理を、一手に引き受ける職務です。
配置人数は「常勤1名」ですが、資格要件は特にありません。管理者の業務に差し支えない場合には、他職務と兼務も可能と定められています。
サービス管理責任者(サビ管)
障がい者グループホームのサービス管理責任者(以下、サビ管)は、個別支援計画の作成やモニタリングなど、利用者への支援内容を管理・指示する役割を担います。必要に応じて、他障がいサービス事業や医療機関などとの間を取り持つのも、サビ管の大切な業務です。管理者同様、サビ管の業務に差し支えない場合には、他職種との兼務も認められています。
配置人数は入所する障がい者の人数によって異なり、「利用者30人以下は1名以上配置」
「利用者31~60人以下は2名以上配置」と定められています。
また、資格要件も細かく定められているのも特徴的。一定の実務経験と指定された研修の修了が必要です。実務経験の必要年数は職種によって異なり、最短で1年以上、最長で8年以上となっています。また、実務経験における「1年」とは、「業務に従事した期間が1年以上かつ1年あたり180日以上」を指します。例えば、実務経験「3年以上」では、「540日以上」必要だということ。ちなみに、1日の勤務時間は関係ありません。4時間でも8時間でも、等しく「1日」に計算されます。
生活支援員
食事や入浴などの日常生活動作において、障がい者が1人で行うことが難しい場合、生活支援員が介護します。
障がい者グループホームの人員配置基準では、1名以上配置することになっていますが、外部サービス利用型は配置義務がありません。また、日中サービス支援型は、後述する世話人と生活支援員のいずれか1名以上が常勤である必要があります。
具体的な必要人数は、常勤換算かつ①~④の数を合計した人数から算出されます。
①障がい支援区分3の利用者を9で除した数(小数点第2位以下は切り捨て)
②障がい支援区分4の利用者を6で除した数( 〃 )
③障がい支援区分5の利用者を4で除した数( 〃 )
④障がい支援区分6の利用者を2.5で除した数( 〃 )※包括型のみ
世話人
食事の提供など、障がい者の生活を援助する役割を担うのが「世話人」です。障がい者グループホームの人員配置基準では「最低1名以上配置」となっていますが、サービスの類型や利用者の人数によって若干差が出てきます。
①介護サービス包括型・外部サービス利用型
利用者:世話人=4:1、5:1、6:1
利用者の数を4~6で除した数
②日中サービス支援型
利用者:世話人=3:1、4:1、5:1
利用者の数を3~5で除した数
※生活支援員と世話人のいずれか1名以上が常勤
①であれば、4:1の方が6:1よりも手厚い介護ができるといえるでしょう。その分、加算の算定による報酬が高くなる傾向にあります。
夜間支援従事者
日中サービス支援型のみ配置必須となっている「夜間支援従事者」は、夜勤や宿直などを行う人員です。介護サービス包括型や外部サービス利用型も届け出ることで、「夜間体制支援加算」を取得することができます。
人員配置は夜間や深夜の時間帯に「1名以上」。生活支援員、または世話人が従事することになります。
まとめ
障がい福祉サービスを設立するときには、細かく定められた人員配置基準をクリアする必要があります。それは、障がい者グループホーム(共同生活援助)においても同じ。人員配置基準についてお悩みの方は、障がい者グループホーム(共同生活援助)に強い「障がい福祉専門の税理士事務所」へお早めに相談することをオススメします。
参考文献