重度訪問介護事業の立ち上げに必要な条件
重度訪問介護を立ち上げるためには、法人格の設立やさまざまな基準を満たす必要があります。今回は、重度訪問介護の立ち上げ時に必要な条件をそれぞれ詳しく見ていきましょう。
法人格
重度訪問介護を立ち上げるときの申請や、開業資金を調達するために融資を受けるときには、法人格が必要。一般的には、株式会社や合同会社、一般社団法人、NPO法人を設立することが多いです。法人の設立資金や将来的な事業展開を踏まえ、最適な法人格を選んでいきましょう。
また、法人定款の事業目的欄には、重度訪問介護事業を行う旨を明記します。この記載がないと、法人定款の修正で無駄な出費が増えるため、注意が必要です。
人員基準
重度訪問介護事業は、次のような人員基準を満たす必要があります。
・管理者:常勤1名
資格要件は特になく、サービス提供責任者と兼務も可能です。
・サービス提供責任者:1名以上(うち1名は常勤)
サービス提供責任者は、重度訪問介護サービスの計画立案やヘルパーへのマネジメント業務を担当し、1名以上の配置が必要。
また、管理者と異なり、資格要件あります。具体的な資格としては、介護福祉士や介護職員基礎研修修了者、ホームヘルパー1級、ホームヘルパー2級&実務経験3年以上などです。ホームヘルパー1級であれば、看護師・准看護師もサービス提供責任者として働くことができます。
・従業員
従業員は、常勤換算で2.5人以上必要。また、介護福祉士や介護職員基礎研修課程修了者、ホームヘルパー1・2級といった資格要件を満たすことが求められます。
設備基準
入所系・通所系サービスのように、利用者が過ごすスペースを必要としないため、設備基準のクリアは比較的簡単です。
事務室は机や椅子を収容できる広さがあれば十分であり、他事業と併設の場合は机の間を空ける、パーティションで仕切るという対応をします。相談室はプライバシーに配慮した個室や仕切りを利用しましょう。トイレ・洗面所は感染症予防の観点から、手指消毒用のアルコールを準備します。
運営基準
居宅介護計画や利用者管理台帳などの書類の準備はもちろん、緊急時の対応をマニュアル化したり、苦情処理体制を整えたりすることが必要です。
まとめ
重度訪問介護事業の立ち上げ時には、さまざまな行政手続き・書類の準備などに追われ、開業準備に集中しにくいといえます。理想の重度訪問介護事業を立ち上げたい方は、障がい福祉専門の税理士事務所へ相談し、書類準備や申請のサポートを依頼してみてはいかがでしょうか。
参考文献