グループホームの設立方法
「グループホーム(共同生活援助)を設立したいけど、どんな手続きが必要か分からない」「ちゃんと行政から指定を受けられるか不安」このように悩んでいる方は、行政書士や税理士などの専門家からアドバイスをもらうことがおすすめ。
今回は、その予備知識としてグループホームの設立の流れや、必要な書類をまとめて紹介します。
設立の流れ
グループホームを設立するときは、次のような手順を踏んでいきます。計画の着手は遅くても半年前。職員の確保や物件の選定もあるため、余裕のあるスケジュールを組みましょう。
①事前相談
②書類提出
③審査
④実地指導
⑤設立(毎月1日付)
グループホームの設立で必要な書類
グループホームを設立するためには、管轄の行政庁へ指定申請する必要があります。このとき、人員・設備・運営の3基準をクリアしている旨を記載した書類を提出することに。
具体的には、次のような「提出が必須のもの」と「場合によっては提出が必要なもの」の2つがあります。また、指定後には「業務管理体制の整備に関する届出」も忘れないようにしましょう。
以下は埼玉県の指定申請で必要な書類の例となります。都道府県によって若干様式が異なる場合もあるため、事前に管轄の行政庁へ確認しておくと安心です。
提出が必須のもの
・指定申請書
・指定に係る記載事項【付表】
・位置図、住宅地図
事業所や共同生活住居が複数ある場合は、その位置関係が分かるように記載。
・配置図
建物や土地、隣接道路の配置を示します。
・平面図
各部屋の用途や面積を記入。また、他サービスとの共用部分を色分けしましょう。
・建物の外観および内部の写真
・他法令遵守の確認票
各機関からの指導事項と対応を記載。
・建物の検査済証の写し
建築基準法に基づいた用途変更を行い、その確認済証の写しを添付します。用途変更申請が不要な場合は、建築士の意見書を添付しましょう。
・防火対象物使用開始届出書などの写し
消防署の確認印が押されたものを添付。
・消防用設備等設置届出書の写し
スプリンクラーや消火器など、各種消防用設備の有無が確認できる書類です。
・設備、備品等一覧表
・管理者経歴書やサービス管理責任者経歴書
資格要件を満たしていることが確認できる書類を添付します。
・実務経験(見込)証明書
グループホームを設置している法人がサビ管の実務経験を証明したものを添付。
・サービス管理責任者研修受講証明書の写し
・従業員の勤務体制及び勤務形態一覧表
・運営規定
・事業計画書
・予算書等
・バックアップ施設との契約内容がわかるものの写し
・利用者またはその家族からの苦情を解決するために講ずる措置の概要
第三者委員会を選定、記載します。
・介護給付費等算定に係る体制等に関する届出書
・介護給付費等の算定に係る体制等状況一覧表
・従業者の勤務の体制及び勤務形態一覧表
・定款又は寄付行為等の写し
・登記事項証明書又は条例等
法人の登記事項全部証明書の原本を添付します。
・指定事業者欠格条項に該当しない旨の誓約書
・役員等名簿
管理者も記載します。
・決算書等
賃貸対照表や収支計算書などから、法人の財政が問題ないことを確認できる書類を提出。法人の設立から1年が経過していない場合は、法人の残高証明書と月次収支計画書を添付します。
・事故防止等に関する措置
・事業開始届
場合によっては提出が必要なもの
・建物の登記全部事項証明書または登記現在事項証明書
建物所有者が申請者と同一である場合に原本を添付
・建物の賃貸借契約書の写し
建物所有者が申請者と同一でない場合に添付
・耐震診断の結果表の写し
建物が建築基準法の改正前のもの(昭和56年6月1日より前の日付で建築確認)であった場合に添付します。
・スプリンクラー設備計画書
スプリンクラーが未設置の場合に添付。ただし、サテライト型のグループホームは添付不要です。
・サービス管理責任者の資格証の写し
サビ管の資格要件を満たすために必要なときにのみ添付。
・サービスの主たる対象者を特定する理由等
利用者の主たる障害種別を特定する場合にのみ添付します。
・協力医療機関との契約内容がわかるものの写し
グループホームが医師が常駐している施設(病院など)と併設されている場合は不要。協力医療機関が同法人内であれば、事務分掌表など関係性が分かる書類を添付します。
・社会保険及び労働保険への加入状況にかかる確認票
加入している場合にのみ提出。
・各種加算についての確認書類
まとめ
グループホームの設立は、管轄の行政庁から指定申請を受けるために膨大な書類の作成と提出が必要なことが分かりました。全てを設立者が担当するのは大変なだけでなく、書類の不備が生じるリスクも。予定通り開業するためには、「障がい福祉専門の税理士事務所」にお任せすることも大切です。
参考文献