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健常者が毎日当たり前のように行っている入浴も、障がい者にとっては心身のハードルが高い生活動作です。利用者の障がい種別や程度がさまざまな生活介護でも、入浴支援は重要なサービスである一方で、介護者の負担が大きい業務の1つとなっています。

そこで今回は生活介護における入浴サービスの提供・利用状況や、令和6年に新設が噂されている入浴加算について紹介します。

生活介護における入浴サービスの状況

日本知的障がい者福祉協会の実態調査によると、生活介護における入浴サービスの状況は以下のとおりです。

提供状況

通所型の生活介護で入浴サービスを提供している事業所数は、下表のようになっています。

 

事業所数 割合
提供している 257か所 26.6%
提供していない 691か所 71.6%
不明・無回答 17か所 1.8%
合計 965か所 100%

 

おおむね3〜4か所に1か所の割合で、入浴サービスを提供している状況です。1週間の提供日数としては5日が30%ともっとも多く、3日や2日も20%近くとなっています。

入浴料金の徴収状況

入浴料金の徴収状況は、下表のとおりです。

 

事業所数 割合
徴収している 141か所 54.9%
徴収していない 114か所 44.4%
無回答 2ヵ所 0.8%
合計 257か所 100%

 

入浴サービスを提供する事業所の半数以上が、料金を徴収している結果となっています。徴収金額の平均は、294円(138か所回答)とのことです。

利用状況

入浴サービスを利用している方の障がい支援区分は、下表のようになっています。

 

入浴サービス利用者数 全利用者数 入力サービス利用者の割合
区分3~4 913人 14,668人 12.4%
区分5~6 1,430人 13,837人 21.1%
不明・未判定 1人 11人 9.1%
無回答 56人
合計 2,405人 29,332人 8.2%

 

区分5〜6の利用者が多いことから、重度障がい者からの入浴支援ニーズが高いことが伺えます。

生活介護に入浴加算が新設される?

前述のように重度障がい者ほど入浴支援ニーズが高いにもかかわらず、提供事業所は3分の1程度にとどまっているのが現状です。

そこで令和6年障がい福祉サービス等報酬改定に関する意見等では、「入浴サービスを実施している事業所に対して、何らかの評価を設けるべき」と示されています。具体的には、以下の2段階評価による加算の新設が検討されています。

 

  • 普通浴槽による入浴支援
  • 機械浴槽による重度障がい者への入浴支援

 

入浴は清潔面だけではなく、QOL(生活の質)を維持するうえでも重要な生活動作の1つです。重度障がい者への支援体制を整えることで、利用者満足度の向上とともに事業収益の増加が見込まれるでしょう。

まとめ

生活介護の入浴サービスは利用者本人や家族からのニーズが高く、提供できると他事業所との差別化ポイントにもなります。

しかし、入浴支援を安全に行うためには、相応の設備投資が必要です。資金調達や運営でお悩みの方は、生活介護に強い「障がい福祉専門の税理士事務所」へ早めに相談しましょう。

 

参考文献

厚生労働省|生活介護に係る報酬・基準について≪論点等≫

日本知的障がい者福祉協会|生活介護事業所(通所型)実態調査報告

厚生労働省|令和6年度障害福祉サービス等報酬改定に関する意見等

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