生活介護の安定的な運営には、収益アップが欠かせません。しかし、利用料が高すぎると利用者離れが生じ、収益が確保できなくなります。そのため、生活介護の収益アップには利用者に配慮しつつ、同時に収入を確保する施策が必要です。
そこで今回は生活介護における利用料の相場や上限額などを踏まえながら、利用者負担を減らす方法を紹介します。
生活介護における利用料の相場
生活介護の利用料は、原則1割負担です。具体的な金額は事業所によって異なり、下表はその一例です。
1日あたりの利用料 | ひと月あたりの利用料※ | |
区分1・2 | 450円前後 | 5,400円前後 |
区分3 | 500円前後 | 6,000円前後 |
区分4 | 550円前後 | 6,600円前後 |
区分5 | 800円前後 | 9,600円前後 |
区分6 | 1,100円前後 | 13,200円前後 |
※3回/週、12回/月を想定
残り9割の利用料は国保連へ請求し、国から報酬として支払われる形となります。
生活介護の利用者負担はどれくらい?
ここでは、利用者が実際に負担する金額の上限や実費の内訳などについて見ていきましょう。
利用者負担の上限額
厚生労働省では、月々の支払い上限額を下表のように定めています。
所得区分 | 世帯の収入状況 | 負担上限月額 |
生活保護 | 生活保護受給世帯 | 0円 |
低所得 | 市町村税非課税世帯※1 | 0円 |
一般1 | 市町村税課税世帯※2 | 9,300円 |
一般2 | 上記以外 | 37,200円 |
※1障がい者基礎年金1級を受給している3人世帯で、収入がおおむね300万円以下の場合
※2収入がおおむね670万円以下の場合(20歳以上の施設入所者やグループホーム利用者は一般2に該当)
ひと月あたりの利用料総額が上記を超えた場合でも、支払うのは適用されている上限の金額です。
利用料のうち実費負担となるもの
実費負担が必要な費用の例は、以下のとおりです。
- 食費(おやつ代含む)
- 個人で使用する日用品
- 外出や創作活動などに利用する費用
送迎サービスを実施している事業所では、場所によって実費負担の有無や程度が異なります。送迎範囲などから現実的な利用料を算出し、利用者に大きな負担がかからないように注意しましょう。
生活介護の利用者負担を減らす方法
利用者によっては、下表のような減免措置などで支払いの負担を軽減できます。
グループホーム併用の利用者 | 月1万円を上限とした家賃助成あり |
療養介護併用の利用者 | 医療費や食事療養費と合算して上限額を設定する「医療型個別減免」あり |
低所得者 | 食費等実費負担の減免措置あり |
事業所としても固定費の削減や加算の算定などで収益を上げ、実費負担分を減らせるように工夫しましょう。
まとめ
生活介護の利用料は、通所回数が多い方ほど高くなります。事業所としては金銭的負担の大きさから利用者が離れないように、さまざまな工夫をすることが大切です。
集客や経営でお悩みの方は、生活介護に強い「障がい福祉専門の税理士事務所」へお早めに相談することをオススメします。
参考文献
厚生労働省|自己点検チェックのための生活介護事業ガイドライン案