就労移行支援の訪問支援特別加算は、一定期間内に利用がなかった利用者に対して自宅へ訪問・相談支援を行うと算定できます。しかし、算定要件が細かく設定されていることもあり、監査指導でトラブルになりがちです。
そこで今回は、訪問支援特別加算の算定要件や報酬単価はもちろん、算定時の注意点も紹介します。
就労移行支援の訪問支援特別加算とは?
訪問支援特別加算の算定要件や報酬単価は、それぞれ次のとおりです。
算定要件
訪問支援特別加算は、以下の要件をすべて満たした場合に算定できます。
- おおむね3ヶ月以上継続的に利用していた利用者が、5日間連続で利用がなかった
- 自宅へ訪問支援することを事前に計画して、利用者から承諾を得ている
- 訪問支援の記録を付けている
記録には支援内容や担当者、訪問時間などを忘れずに記載しましょう。
報酬単価
訪問支援特別加算の報酬単価は、訪問支援の所要時間によって異なります。
- 所要時間1時間未満:187単位
- 所要時間1時間以上:280単位
なお利用者1人につき、月2回の算定が上限です。たとえば、次のような条件を考えてみましょう。
- 1時間未満の訪問支援を月2回実施
- 上記に該当する利用者が合計3名
この場合の報酬額は、以下のように算出できます。
報酬単価×回数×人数×地域区分(10円)
=187単位×2回×3名×10円
=11,220円
就労移行支援で訪問支援特別加算を算定する際の注意点
訪問支援特別加算を算定するときは、次に挙げる5つをよく確認しましょう。
- 事前に個別支援計画で計画・記載しておく
- 訪問時の支援内容を記載漏れのないようにする
- ひと月で上限2回の算定しかできない
- 利用者の入院先など、自宅以外の訪問支援は認められない
- 所要時間は実際の訪問時間ではなく、個別支援計画に記載した時間になる
とくに所要時間の扱いは要注意です。実際の訪問時間が1時間以上でも、計画で1時間未満と設定している場合は報酬単価187単位が適用されます。計画と異なる時間で算定し、のちほど返還命令が下されないように注意しましょう。
まとめ
就労移行支援の訪問支援特別加算は、一定の条件を満たすことで利用者が欠席した際にも算定できる加算です。経営や運営でお悩みの方は、就労移行支援に強い「障がい福祉専門の税理士事務所」へお早めに相談することをオススメします。
参考文献