児童発達支援はセンターと事業所という2つの事業形態があることから、定員も場所によってさまざまです。そのため、新しく開業する方にとっては「どれくらいの人数がベストなのか?」と不安になるでしょう。
そこで今回は児童発達支援の定員について、給付上の分類と全国の平均値を紹介します。定員を超過した際の減算についてもあわせて解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
児童発達支援の定員はどれくらい?
まずは児童発達支援の定員について、給付上の分類と全国の平均値を見ていきましょう。
給付上の分類
給付上の分類は、下表のように事業形態や対象者によって異なります。
【児童発達支援センター】
障がい児 | 難聴児 | 重症心身障がい児 |
30人以下
31~40人 41~50人 51~60人 61~70人 71~80人 81人以上 |
20人以下
21~30人 31~40人 41人以上 |
15人以下
16~20人 21人以上 |
【児童発達支援事業所】
未就学児 | 未就学児以外 | 重症心身障がい児 |
10人以下
11~20人 21人以上 |
5人
6人 7人 8人 9人 10人 11人以上 |
いずれも定員数が多くなるほど、基本報酬の単価が小さくなります。
定員の平均値
厚生労働省の実態調査をもとに、1事業所の平均人数を放課後等デイサービス(放デイ)とくらべたものが下表です(平成28年9月時点)。
定員 | 在籍児数 | |
児童発達支援 | 12.1人 | 24.0人 |
放課後等デイサービス | 10.1人 | 29.0人 |
児童発達支援の定員数は放デイよりも若干多めではあるものの、おおむね10人前後と考えてよいでしょう。
児童発達支援における定員超過利用減算の適用条件
定員超過利用減算とは、指定申請時の定員よりも大幅に超えた場合に適用される減算です。適用されると基本報酬が30%減算、つまり通常の70%しか算定できません。安定的な経営のためにも、事業者は以下に挙げる適用条件を把握しておきましょう。
1日あたりの利用者数
上記で定員超過利用減算が適用になるのは、次の2つです。
【利用定員50人以下】
利用者数>利用定員×150% |
【利用定員51人以上】
利用者数>(利用定員-50)×125%+75 |
たとえば、利用定員20人の児童発達支援は次のような計算式から、利用者数が30人を超えると減算対象になることがわかります。
20人×150%=30人 |
直近の過去3か月間の利用者数
上記で定員超過利用減算が適用になるのは、次の2つです。
【利用定員11人以下】
過去3か月間の延べ利用者数>(利用定員+3)×過去3か月間の開所日数 |
【利用定員12人以上】
過去3か月間の延べ利用者数>利用定員×過去3か月間の開所日数×125% |
たとえば、利用定員10人、月20日営業の児童発達支援の場合。次のような計算式から、過去3か月間の延べ利用者数が780人を超えると減算対象になることがわかります。
(10人+3)×20日×3か月=780人 |
まとめ
児童発達支援の定員は平均値が約12人ではあるものの、事業形態や主として通所する児童の障がい種別などによって異なります。開業準備や指定申請でお悩みの方は、児童発達支援に強い「日本で唯一の障がい福祉専門の税理士事務所」へ早めに相談しましょう。
参考文献
障がい児通所支援事業所従事者実態調査(平成28年度調査)|厚生労働省