児童発達支援を利用する子どもが年々増え、事業所数も急増中です。しかし、通園方法は事業所によって異なり、大きく分けると母子通園型と母子分離型があります。
そこで今回は利用者側の気持ちを知って事業所運営に活かせるよう、母子通園と母子分離タイプのメリットやデメリットを紹介します。事業者として配慮すべき点もあわせて解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
母子通園型の児童発達支援とは?
母子通園型の児童発達支援とは子供と一緒に通園し、療育などのプログラムへ参加するスタイルです。
メリット・デメリット
母子通園型のメリット・デメリットは、次のようなものが挙げられます。
【メリット】
- 子どもの成長を間近で見られる
- 職員とコミュニケーションが取りやすい
- 職員やほかの母親の対応を見て学べる
【デメリット】
- 時間的拘束が長い
- ほかの子どもと比較してしまう
- ほかの母親とのコミュニケーションが負担に感じることがある
母子通園型における最大のメリットは、子どもの成長を間近で感じられる点です。不安なことがあれば、職員やほかの母親とも話がしやすい環境でもあります。
ただし、長いと半日以上も児童発達支援で過ごすため、時間的拘束が負担に感じる方もいるでしょう。また集団生活という性質により、良くも悪くもほかの子どもと比較して落ち込んでしまう方もいます。
事業者が配慮したいこと
発達に不安がある子どもを育てる母親は、ストレスやプレッシャーを感じているケースがほとんどです。事業所の方針や正論を押し付けすぎると、母親の負担になりかねません。
母子通園型は中心的な支援者が母親になるケースが多くなりがちなため、家族全体に協力を得られるようなアドバイスや支援を心がけましょう。また、母親の不安を少しでも取り除けるよう、丁寧な説明やコミュニケーションを意識することも大切です。
母子分離型の児童発達支援とは?
母子分離型の児童発達支援は保育所のように子どもを預け、終了時間にお迎えに行くスタイルです。
メリット・デメリット
母子分離型のメリット・デメリットは、次のようなものが挙げられます。
【メリット】
- 仕事をしていても利用しやすい
- 子どもの自立心を育む
- 母親のリフレッシュになる
【デメリット】
- 成長や変化に気付きにくい
- 「預けている」と罪悪感を覚えてしまう人もいる
- 連絡ノートなどを細かく書く必要がある
現在は共働きが主流のため、母子分離型のほうが仕事と両立しやすいと感じる方が多いでしょう。
ただし、子どもと職員の関わりを実際に見る機会が少なくなるため、事業所での様子がわかりにくい点はデメリットとして挙げられます。また、子どもを預けることやリフレッシュすることに罪悪感を持つ方が多い点も理解しておきたいところです。
事業者が配慮したいこと
母子分離型の児童発達支援は母子通園型よりも子どもの様子を把握しにくくなるため、事業者は小さなことでも保護者へ報告しましょう。密なコミュニケーションは信頼関係の構築にもつながるうえ、母親の精神状態の把握もできます。
また、定期的な面談などを通じて、母親の気持ちを傾聴する機会も設けるとよいでしょう。
まとめ
母子通園型と母子分離型は、それぞれメリット・デメリットが異なります。質の高い児童発達支援を提供するためには、子どもを預ける保護者の心情への理解も大切です。運営や開業でお悩みの方は、児童発達支援に強い「日本で唯一の障がい福祉専門の税理士事務所」へお早めに相談することをオススメします。
参考文献