令和3年の報酬改定により、児童発達支援はペアレントトレーニングを実施することで「事業所内相談支援加算Ⅱ」を算定できるようになりました。比較的新しい加算のため、「算定要件や報酬単価をよく知らない」という方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は児童発達支援のペアレントトレーニングについて、算定要件や報酬単価、算定時の注意点などを紹介します。
児童発達支援のペアレントトレーニングとは?
ペアレントトレーニングとは発達障がいなどを持つ児童の保護者向けに、児童への声のかけ方や接し方などを助言する心理教育的アプローチのひとつです。発達障がいの特性を踏まえた対応について、ロールプレイやホームワークを通して学びます。
ペアレントトレーニングのメリットは、保護者がほめ方や指示などの具体的な養育スキルを身につけられる点です。保護者が場面に応じて適切な行動を取れるようになることで、児童の行動も変わり、結果として互いの心理的負担が軽減します。
児童発達支援でペアレントトレーニングを実施すると算定できる加算
児童発達支援のペアレントトレーニング実施時には「事業所内相談支援加算Ⅱ」を算定できます。算定要件などは、それぞれ下記のとおりです。
算定要件と報酬単価
報酬は1月に1回を限度とし、1回につき80単位で算定されます。なお、「事業所内相談支援加算Ⅱ」を算定するには以下の要件をすべて満たす必要がありますが、加算届の提出は不要です。
- あらかじめ保護者の同意を得る
- 複数の児童及びその家族等をひとつのグループとして、療育に関する相談支援を行う
- 相談支援を行った日時及び相談内容を記録する
- 30分以上相談支援を行う
- 同日に「家庭連携加算」または「事業所内相談支援加算Ⅰ」を算定していない
算定時の注意点
事業所内相談支援加算の算定時は、以下の4点にも注意しましょう。
- 相談支援を事業所以外で行う場合は、児童やその家族などが相談しやすい環境にする
- 相談支援時は児童の同席が望ましいが、相談内容により同席しない方がよいと判断した場合は、保護者のみに相談支援を行うことで算定できる
- 相談支援の対象者は、2人〜8人を1組として数える
- 同一世帯内で複数人の相談支援を行う場合は1人として数える
まとめ
児童発達支援のペアレントトレーニングを実施すると、「事業所内相談支援加算Ⅱ」が算定できます。ただし、事前に保護者への同意を得るなどの準備が必要です。加算の算定や経営についてお悩みの方は、児童発達支援に強い「日本で唯一の障がい福祉専門の税理士事務所」へお早めに相談することをオススメします。
参考文献