子どもの成長において、整った食生活は重要な要素の1つです。0~6歳の児童を対象にする児童発達支援も、利用者の食事管理や栄養管理に配慮する必要があります。そのようなとき栄養士を配置すると専門的な支援ができる上、加算の算定も可能です。
そこで今回は栄養士配置加算の算定要件や報酬単価のほか、算定時の注意点を紹介します。
児童発達支援における栄養士の人員配置基準
実は栄養士の配置が義務付けられているのは、児童発達支援センターのみです。児童発達支援事業所に、栄養士を配置する義務はありません。
また、児童発達支援センターも必ず栄養士が必要なわけではなく、利用定員数が40人以上で1人以上の配置、40人以下の場合は配置不要となっています。
児童発達支援の栄養士配置加算とは?
栄養士配置加算とは児童発達支援事業所や40人以下の児童発達支援センターなど、配置義務のないところで栄養士による食事管理などを行った際に算定できる加算です。ここでは、具体的な算定要件や報酬単価を見ていきましょう。
算定要件
栄養士配置加算は、(Ⅰ)と(Ⅱ)の2つがあります。それぞれの算定要件は、次のとおりです。
- 【共通の算定要件】
○ 利用者の食嗜好や生活状況などに留意した食事管理を行う
- 【栄養士配置加算(Ⅰ)】
○ 常勤の管理栄養士や栄養士を配置する(1名以上)
- 【栄養士配置加算(Ⅱ)】
○ 非常勤の管理栄養士や栄養士を配置する(1名以上)
つまり、(Ⅰ)と(Ⅱ)の違いは配置する栄養士の勤務形態のみということになります。
報酬単価
栄養士配置加算を算定した際に受け取れる1日あたりの報酬単価は、下表のとおりです。
利用定員 | 栄養士配置加算(Ⅰ) | 栄養士配置加算(Ⅱ) | |
40人以下 | 37単位 | 20単位 | |
41~50人 | 30単位 | 16単位 | |
51~60人 | 25単位 | 13単位 | |
61~70人 | 21単位 | 11単位 | |
71~80人 | 19単位 | 10単位 | |
81人以上 | 16単位 | 9単位 |
たとえば、月の営業日数が20日、定員10名の児童発達支援で栄養士配置加算(Ⅰ)を算定する場合の報酬額は次のように算出できます。
報酬単価×人数×営業日数×地域単価(10円)
=37単位×10人×20日×10円
=74,000円
児童発達支援で栄養士配置加算を算定する際の注意点
栄養士配置加算で注意したいのは、事業所の調理業務を第三者に委託している場合です。栄養士の配置が委託先にのみであれば、当該加算は算定できません。
なお、派遣で事業所に勤務する栄養士であれば、その勤務形態に応じて(Ⅰ)と(Ⅱ)のいずれかを算定できます。栄養士配置加算は、あくまでも栄養士が事業所内に配置されたときのみに算定できるということを覚えておきましょう。
まとめ
児童発達支援の栄養士配置加算は、配置義務のない事業所などで栄養士による食事管理を行った際に算定できる加算です。加算の算定や経営でお悩みの方は、児童発達支援に強い「障がい福祉専門の税理士事務所」へお早めに相談することをオススメします。
参考文献