サービス提供時間が長い児童発達支援では、利用者への食事提供もサービスの1つとして行われます。そのとき算定できるのが、食事提供加算です。
今回は児童発達支援の食事提供加算について、算定要件や報酬単価のほか、算定時の注意点などについて紹介します。
児童発達支援の食事提供加算とは?
食事提供加算の算定要件や報酬単価は、それぞれ次のとおりです。
算定要件
食事提供加算は(Ⅰ)と(Ⅱ)の2つがあり、算定要件は以下のように定められています。
【共通】
- 児童発達支援事業所内にある調理室からの食事提供
- 事業所の職員が調理、または第三者に委託しての食事提供
【食事提供加算(Ⅰ)】
- 保護者が中間所得者の利用者(Ⅱに該当しない利用者)
【食事提供加算(Ⅱ)】
- 保護者が低所得者の利用者
報酬単価
食事提供加算の報酬単価は(Ⅰ)が30単位/日、(Ⅱ)が40単位/日です。1日の食事提供が複数回になったとしても、報酬単価は変わりません。
たとえば食事提供加算(Ⅰ)に該当する利用者に8回の食事提供をした場合、次のような計算式で報酬額を算出できます。
報酬単価×回数×地域区分(10円)
=30単位×8回×10円
=2,400円
児童発達支援の食事提供加算における注意点
当該加算は次のような食事提供の場合、算定できません。
- 市販の弁当の提供
- 出前やUver Eats(ウーバーイーツ)の利用
- 外食
なお、以下に挙げる調理法であれば、事業所外で調理された食事を提供しても加算の算定が可能です。
- クックチル:冷蔵品の再加熱
- クックフリーズ:冷凍品の再加熱
- クックサーブ:調理済みの食事提供(例:学校給食)
- 真空調理:真空パック食品の加熱
児童発達支援における食事提供加算の算定状況
厚生労働省の実態調査によると、児童発達支援における食事提供加算の算定状況は下表のとおりです。
回答のあった事業所数 | 5,321か所 |
食事提供加算を算定している事業所数 | 466か所 |
利用者 | 111,187人 |
食事提供加算を算定している利用者数 | 22,965人 |
利用者1人、ひと月あたりの平均利用回数は11.9回とされています。つまり、ひと月あたり3,600円~4,800円/人の報酬を得られる計算です。サービス提供時間が長く、食事提供をする事業所であれば、積極的に算定したい加算といえます。
まとめ
児童発達支援の食事提供加算は、クックチルやクックサーブといった比較的簡単な調理・搬入方法でも算定できる加算です。加算の算定や経営でお悩みの方は、児童発達支援に強い「障がい福祉専門の税理士事務所」へお早めに相談することをオススメします。
参考文献