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児童発達支援の利用には、通所支援受給者証(通称、受給者証)が必要です。児童発達支援の事業者は利用を希望する保護者に説明できるよう、受給者証について理解を深めておくことが大切になります。

そこで今回は児童発達支援の利用に必要な受給者証について、対象児童や支給量の内容のほか、申請の流れを紹介します。

児童発達支援に必要な受給者証の基礎知識

まずは受給者証の基礎知識として、次の3つについて把握していきましょう。

対象になる児童

受給者証の対象になる児童は、次のとおりです。

 

  • 何らかの障がいを有する児童
  • 難病(359疾病)を有する児童
  • 医師などから療育の必要性が認められた児童

 

受給者証の取得にあたっては、「障がいの手帳は必要?」「診断名がないと申請できないのでは?」と疑問を持つ方も少なくありません。しかし、上記の条件を見るとわかるとおり、療育の必要性が認められれば手帳や診断名がなくても申請可能です。

支給量

受給者証には、サービスを利用する児童とその保護者の情報などが記載されます。その中で事業者が注意したい次項のひとつが、支給量です。

支給量とは、1か月に障がい福祉サービスを利用できる日数の上限を指し、医師の診断書や障がい支援区分などを踏まえて決定されます。複数の事業所を利用する場合は、利用日数の合計が支給量を超えないようにすることが必要です。

たとえば、支給量が10日の児童でA事業所の利用日数が7日であれば、B事業所の利用日数は3日以下に調整する必要があります。

取得後に利用できるサービス

通所支援受給者証を取得すると、次のような障がい福祉サービスの利用が可能です。

 

  • 児童発達支援
  • 医療型児童発達支援
  • 放課後等デイサービス(放デイ)
  • 居宅訪問型児童発達支援
  • 保育所等訪問支援

 

いずれも利用料金の自己負担は1割となり、定められた上限負担額を超えることはありません。

児童発達支援に必要な受給者証の申請手順

受給者証の申請における基本的な流れや、更新のタイミングはそれぞれ次のとおりです。

基本的な流れ

受給者証の申請は、おおむね次のような流れで進みます。

 

  1. 市町村へ利用相談
  2. 事業所見学
  3. 申請
  4. 調査や審査
  5. 通所支援受給者証の発行
  6. 事業所と契約
  7. サービスの利用を開始

 

児童発達支援を知るきっかけによっては、受給者証を知らずに直接事業所へ利用相談する保護者もいるでしょう。その際は見学受け入れ・調整だけでなく、受給者証が必要であること、上記のような流れで申請することを説明しましょう。そうすることで、保護者からの信頼を得られるだけでなく、実利用までのタイムラグが少なく済みます。

更新のタイミング

受給者証の有効期限は1年のため、継続して障がい福祉サービスを利用するためには更新手続きが必要です。ただし、対象児童が小学校に入学するときは、利用するサービスが児童発達支援から放デイに変わるため1年以内でも更新手続きが必要になります。

なお、自治体によっては初回交付時の有効期限を次の誕生日の翌月末とするケースも。この場合の受給者証も、発行から1年以内での更新が必要です。事業者は自治体のルールをあらかじめ確認し、保護者へ説明できるようにしておきましょう。

まとめ

児童発達支援に必要な受給者証は、市町村への申請や定期的な更新が必要です。保護者に適宜説明できるよう、事業者は受給者証について理解しておくことが大切になります。開業や運営でお悩みの方は、児童発達支援に強い「障がい福祉専門の税理士事務所」へ早めに相談しましょう。

 

参考文献

児童発達支援ガイドライン|厚生労働省

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