児童発達支援の収益源は基本報酬のほか、さまざまな加算の算定で成り立っています。延長支援加算も、その加算のひとつです。
そこで今回は延長支援加算の算定要件や報酬単価はもちろん、算定時の注意点について紹介します。
児童発達支援の延長支援加算とは?
児童発達支援で算定できる延長支援加算の算定要件や報酬単価は、それぞれ次のとおりです。
算定要件
延長支援加算の算定要件は、次の4つになります。
- 営業時間が8時間以上、かつ営業時間の前または後にサービスを提供
- 直接支援を行うスタッフ※を配置(1名以上)
- 延長するやむを得ない理由を障がい児支援利用支援計画に記載
- 管轄の行政庁へ加算の届出書を提出
※:児童指導員または保育士
なお、延長支援についても通常の支援と同様に記録を残すことが必要です。書式は自由のため、最低限次のような項目について記録を残しておくとよいでしょう。
- 延長支援の時間帯
- 延長支援の利用者の氏名
- 支援担当者の氏名や職種
- 支援中の様子 など
報酬単価
延長支援加算の報酬単価は、下表のとおりです。
重症心身障がい児以外の場合 | 重症心身障がい児の場合 | |
1時間未満 | 61単位 | 128単位 |
1時間以上2時間未満 | 92単位 | 192単位 |
2時間以上 | 123単位 | 256単位 |
たとえば、重症心身障がい児以外の利用者が月に4回、1時間未満の延長支援を利用する場合、次のように報酬額を算出できます。
報酬単価×回数×地域単価
=61単位×4回×10円
=2,440円
また、重症心身障がい児の利用者が月に4回、1.5時間の延長支援を利用する場合の計算方法は次のとおりです。
報酬単価×回数×地域単価
=192単位×4回×10円
=7,680円
児童発達支援の延長支援加算における3つの注意点
児童発達支援で延長支援加算を算定する際は、次の3点に注意しましょう。
- 送迎のみを行う時間は営業時間に含まない
- 管理者や児発管、無資格者は延長時に配置できない
- あくまでもやむを得ない理由で算定する加算のため、常態化は見直しの対象になる
とくに、3つ目の注意点は見逃しや放置が起きやすいところです。実地指導などで指摘されることがないよう、日頃から保育所などとの連携を密に取り、適正な運営を心がけましょう。
まとめ
児童発達支援の延長支援加算は、営業時間外に支援した場合に算定できる加算です。算定には支援を提供する人員の確保と、自治体への届け出が必要になります。加算の算定や経営でお悩みの方は、児童発達支援に強い「障がい福祉専門の税理士事務所」へ早めに相談しましょう。
参考文献