児童発達支援管理責任者(児発管)は、児童発達支援で必ず配置する必要がある職種です。とはいえ、資格要件が厳しいため人員を確保しにくい現状があります。そのため、事業者には児発管を採用するだけでなく、自社スタッフが児発管へキャリアアップできるような体制作りが求められます。
そこで今回は児発管になるために必要な条件や、スタッフのモチベーションにもつながりうる平均年収のデータを紹介します。
児童発達支援管理責任者になるには?
児発管になるためには「実務要件を満たす」「所定の研修を修了する」、この2つのクリアが必要です。
①実務要件を満たす
具体的な実務要件は、次の3つになります。
- 相談支援業務5年以上
- 直接支援業務5年以上or8年以上
- a国家資格などが必要な業務5年以上+b相談支援または直接支援業務3年以上
ここでいう実務経験1年以上とは、業務に従事した期間が1年以上、かつ実際に業務に従事した日数が180日以上であることを指します。つまり、実務経験5年以上が条件であれば、「従事した年数が5年以上、従事した日数が900日以上」が必要です。ただし、3.の条件では、aとbが同時期でも問題ありません。
また、実務経験は高齢者福祉施設での経験も年数に含められますが、いずれの条件でも障がい福祉施設での経験が3年以上必要です。
なお、2.の条件では、下記のような資格がない場合に8年以上の実務経験が必要になります。
- 保育士
- 児童指導員任用資格
- 社会福祉主事任用資格
- 介護職員初任者研修以上
- 精神障がい者社会復帰施設指導員任用資格
②所定の研修を修了する
児発管になるために必要な研修は、次の3つです。
受講可能になる条件 | |
基礎研修 | ・実務要件1.と2.の場合は通算3年以上の方
・実務要件3.の場合は通算1年以上の方 |
OJT※ | 基礎研修を修了した方 |
実践研修 | 過去5年に2年以上の相談支援、あるいは直接支援業務の経験がある方 |
※現場で2年以上の実務を遂行する
児発管がすでに1名配置されている事業所の場合は、OJTの時点で2人目の児発管としての配置や、個別支援計画原案の作成が可能となります。昨今の新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、オンライン形式の研修も増えているため、積極的に参加を進めたいところです。
児童発達支援管理責任者の平均年収
厚生労働省の実態調査によると、児発管の平均年収は下表のようになっています。
常勤 | 非常勤 | |
児童発達支援 | 約400万円 | 約280万円 |
医療型児童発達支援 | 約590万円 | — |
放課後等デイサービス | 約330万円 | — |
保育所等訪問支援 | 約470万円 | 約540万円 |
平均 | 447.5万円 | 410万円 |
※—:データなし
常勤・非常勤ともに平均年収が400万円以上である点は、スタッフにとってキャリアアップへの大きなモチベーションになるでしょう。
まとめ
児童発達支援管理責任者は、児童発達支援の運営において欠かせないスタッフです。開業や人員配置基準でお悩みの方は、児童発達支援に強い「障がい福祉専門の税理士事務所」へお早めに相談することをオススメします。
参考文献