令和元年度から始まった、保育料の無償化。同じく未就学児を対象とするサービスである児童発達支援は、無償化の対象になっているのでしょうか。請求誤りなどによって収益の入金が遅れないよう、児童発達支援の事業者は無償化について理解しておく必要があります。
そこで今回は児童発達支援が無償化の対象になるのか、なるとしたらどんな児童が対象になるかなどを紹介します。
児童発達支援は無償化の対象になる?
結論から言うと、児童発達支援は無償化の対象サービスです。ここでは、無償化の対象になるサービス種別や対象者、手続きなどについて見ていきましょう。
対象サービス
児童発達支援以外の障がい児福祉サービスで無償化の対象になるのは、次の5つです。
- 医療型児童発達支援
- 居宅訪問型児童発達支援
- 保育所等訪問支援
- 福祉型障がい児入所施設
- 医療型障がい児入所施設
通所だけでなく、入所施設も対象になっていることがよくわかります。
対象者
児童発達支援のような発達支援の無償化は、3歳~5歳の未就学児が対象です。さらに詳しく表現すると、満3歳になってはじめての4月1日から3年間、無償化の対象になります。
保育料は住民税非課税世帯の場合、0~2歳も無償化の対象になりますが、児童発達支援が無償化されるのはあくまでも満3歳以上です。具体例は、下表を参考にしてみてください。
誕生日 | 満3歳 | 無償化の対象時期 | |
例① | 2022年3月10日 | 2025年3月10日 | 2025年4月1日~2028年3月31日 |
例② | 2022年5月20日 | 2025年5月20日 | 2026年4月1日~2029年3月31日 |
なお、次のような児童も無償化の対象になるため、覚えておきましょう。
- 就学猶予の対象になった児童
- 保育所や通所サービスを併用している児童
- 措置児童(里親などに委託されている児童など)
- 保護者が就労していない児童
手続き
無償化に向けた手続きは、保護者・事業者ともに不要です。無償化は現物給付、つまり保護者へ利用者負担を請求せず、事業者が国保連へその分を上乗せして請求します。
なお、受給者証には無償化対象である旨を特記事項欄などへ記載することになります(更新の際に順次印字)。
児童発達支援の無償化における注意点
児童発達支援の事業者が無償化について知っておきたい注意点は、おもに次の4つです。
- 食費や日用品など実費負担分は無償化の対象外
- 対象者の重要事項説明書には利用者負担が無料になる旨を記載
- 請求事務では利用者負担額②の項目に0円を設定
- 利用者上限額管理は不要(=利用者負担上限額管理加算も対象外)
請求誤りが起きると、過誤処理などの経理手続きが必要になります。報酬のスムーズな入金のためにも上記の注意点をよく理解し、国保連へ正確に請求しましょう。
まとめ
児童発達支援は無償化の対象になるため、利用者に該当者がいる場合は請求誤りが起きないように注意する必要があります。経営や請求でお悩みの方は、児童発達支援に強い「障がい福祉専門の税理士事務所」へ早めに相談しましょう。
参考文献