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多機能型事業所は、障がい児や障がい者へ途切れのない支援を同一法人内で提供できる事業形態です。利用者にはメリットが大きい多機能型事業所ですが、「児童発達支援を多機能型に組み込むと、何かメリットがあるのか?」と疑問に思う方もいるでしょう。

そこで今回は児童発達支援の多機能型事業所について、受けられる特例やメリット・デメリットを紹介します。

児童発達支援も含まれる多機能型事業所とは

そもそも多機能型事業所とは何か、どんな特例があるか、それぞれ見ていきましょう。

一体的な運営で管理する事業形態

多機能型事業所とは、次のような一体的な運営で管理する事業形態です。

 

  • 事務所間に支援体制がある
  • 利用調整や職員の技術指導などが一体的である
  • 運営規程や事務所間の会計管理が一本化されている
  • 職員の勤務状況や給与などの管理が一元的である

 

なお、多機能型事業所として一体的な運営管理ができるのは児童発達支援や放デイのほか、次のようなサービスが挙げられます。

 

  • 自立訓練(機能訓練、生活訓練)
  • 就労移行支援
  • 就労継続支援(A型、B型)
  • 生活介護

指定基準で特例がある

多機能型事業所では、指定基準において特例を受けられます。それぞれの特例は、次のとおりです。

人員配置基準

人員配置基準では、サービス事業間や職種間での兼務が可能となります。

 

  サービス事業間の兼務 備考
児童発達支援管理責任者(児発管)

サービス管理責任者(サビ管)

配置する人数は規定どおり(多機能型事業所の利用者が60人以下なら1人以上など)
常勤の従業員

(児童福祉法に基づくサービス事業間では兼務可、その他は不可)

利用定員が19人以下の場合はサビ管との兼務が可能

利用定員

多機能型事業所の利用定員の合計が20人以上の場合、各事業の最低利用定員数が次のように減ります。

 

最低利用定員 サービス事業
5人以上 ・児童発達支援

・医療型児童発達支援

・放課後等デイサービス

6人以上 ・生活介護

・自立訓練(機能訓練、生活訓練)※

・就労移行支援

10人以上 ・就労継続支援A型

・就労継続支援B型

※宿泊型自立訓練と生活訓練を組み合わせる場合は別途基準あり

設備基準

サービス提供に支障が来さない範囲では、サービス事業間で設備の共用が可能です。ただし、訓練・作業室はサービスごとに設置する必要があります。

児童発達支援を多機能型にするメリット・デメリット

児童発達支援を多機能型事業所に組み込む際に生まれるメリット・デメリットは、それぞれ次のとおりです。

メリット

児童発達支援と放デイを組み合わせれば、収益減を避けられます。児童発達支援自体のサービス提供時間が短くても、放デイとの合算で6時間以上になれば開所時間減算が適用されないためです。

デメリット

児童発達支援と放デイのサービス提供時間を分ければ、同一の職員でも対応可能です。そのため、事業が2つになるからといって人件費が2倍になるわけではありません。

ただし、休日もサービスを提供するとなるとその分増員が必要であり、人件費がかかる点がデメリットになるでしょう。人件費をなるべく抑えたい場合は、常勤職員と非常勤職員を上手に組み合わせてシフトを組むことをおすすめします。

まとめ

児童発達支援を多機能型事業所に組み込むと、指定基準や収益の点で大きなメリットを得られます。開業や人件費などでお悩みの方は、児童発達支援に強い「障がい福祉専門の税理士事務所」へ早めに相談しましょう。

 

参考文献

児童発達支援ガイドライン|厚生労働省

放課後等デイサービスガイドライン|厚生労働省

多機能型に関する特例|岐阜県

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