障がい児が安心して日々の生活を送るためには、関係機関が関わり方を統一し、途切れのない支援を提供することが大切です。放課後等デイサービス(放デイ)も、学校などとの連携が必要になります。連携によって地域移行が成功した際には、「保育・教育等移行支援加算」の算定が可能です。
そこで今回は保育・教育等移行支援加算の算定要件や報酬単価のほか、算定時の注意点を紹介します。
放課後等デイサービスの保育・教育等移行支援加算
保育・教育等移行支援加算の算定要件や報酬単価は、それぞれ次のとおりです。
算定要件
保育・教育等移行支援加算の算定要件は、次の3つになります。
- 放デイの利用者が退所後、集団生活を営む場所へ移行する
- 自宅などへ訪問し、相談支援や移行支援を行う(退所後30日以内)
- 相談支援や移行支援の内容を記録する
なお、移行先としては次のような場所が挙げられます。
- 小学校
- 中学校
- 高等学校
- 専修学校
- 大学
- 特別支援学校
- 企業
- 障がい者就業・生活支援センター
※児童発達支援の場合は保育所や幼稚園、認定こども園も加わる
報酬単価
放デイにおける保育・教育等移行支援加算の報酬単価は、500単位/回です。利用者1人につき、1回のみ算定できます。たとえば、利用者2人が退所し移行支援した場合の計算方法は、次のとおりです。
報酬単価×人数×地域単価(10円)
=500単位×2人×10円
=10,000円/月
放課後等デイサービスで保育・教育等移行支援加算を算定する際の注意点
放デイで保育・教育等移行支援加算を算定する際は、次の3つに注意しましょう。
- 移行先が病院や診療所(入院)、社会福祉施設(入所)の場合は算定できない
- 学校への入学、死亡退所の場合も算定できない
- 退所後に算定できる加算のため、訪問日によっては基本報酬の算定がない月に請求する場合もある
3つ目に関しては、たとえば10月20日に退所し、11月10日(退所から20日後)に移行支援したとします。すると、11月は基本報酬の算定はありませんが、保育・教育等移行支援加算のみ算定できるということです。
まとめ
放デイの保育・教育等移行支援加算は、利用者の退所後に算定できる珍しい加算です。1回当たりの報酬単価も大きいため、移行支援をしているなら積極的に算定したい加算といえます。
開業や経営でお悩みの方は、放課後等デイサービスに強い「障がい福祉専門の税理士事務所」へ早めに相談しましょう。
参考文献