介護福祉士は、放課後等デイサービス(放デイ)の人員配置基準に含まれていません。一見すると放デイで必要性が感じられない介護福祉士ですが、実は採用するとのちのち大きなメリットを得られます。
そこで今回は放デイで介護福祉士を採用するメリットや、資格を最大限活かす方法を紹介します。
放課後等デイサービスで介護福祉士を採用するメリット
放デイで介護福祉士を採用する最大のメリットは、児童指導員や児童発達支援管理責任者(児発管)などになれる可能性がある点です。
介護福祉士の資格や大学での修了過程、実務経験の年数によっては児童指導員などの資格要件を満たし、該当職種の人員配置基準の人数としてカウントできます。それぞれの資格要件は次項の「放課後等デイサービスの介護福祉士が目指すキャリアアップ先」で紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
また、介護福祉士は利用者やその家族との関わり方に精通した、「福祉」におけるプロです。高齢者介護と障がい者・障がい児介護とではまた違ったスキルが必要ですが、傾聴や寄り添う心などの基本的な姿勢は共通しています。
そのため、介護福祉士を採用すれば、サービスの質の向上も期待できるでしょう。
放課後等デイサービスの介護福祉士が目指すキャリアアップ先
放デイで介護福祉士を採用すると、児童指導員などの人員配置基準に含められる可能性があると紹介しました。ここでは、介護福祉士がなれる放デイの職種(キャリアアップ先)を3つ紹介します。
児童指導員
児童指導員の資格要件は、次のとおりです。
- 教員免許状を保有している
- 社会福祉士または精神保健福祉士の資格を保有している
- 大学や大学院で以下に挙げるいずれかの課程を修了している
○ 教育学
○ 心理学
○ 社会学
○ 社会福祉学
- 児童福祉施設で実務経験がある
○ 2年以上
○ 中卒の場合は3年以上
たとえば、大学で社会福祉学を修了して介護福祉士を取得した方は、児童指導員に着任できます。また、介護福祉士が児童指導員になれば、福祉専門職員配置等加算の算定が可能です。人員配置を満たせる上、報酬が上乗せされるため、事業所側としても一石二鳥になるでしょう。
児童発達支援管理責任者(児発管)
介護福祉士は、次のような要件を満たすと児発管にもなれます。
- 実務経験が5年以上
- 上記のうち「障がい児や障がい者、児童」を対象とした施設での実務経験が3年以上
- 基礎研修など所定の研修を受ける
児発管が欠員すると、さまざまな減算対象となり、大きな収益減となりかねません。突然の退職などにより児発管が欠員しないよう、介護福祉士を児童指導員として採用しながら研修受講の支援を進めるのもひとつの方法です。
保育士
介護福祉士などの福祉系資格を保有していると、保育士の履修科目や資格試験の一部が免除されます。保育領域の知識を学ぶ必要はありますが、比較的取得しやすい資格といえるでしょう。
保育士の資格を取得すれば、「保育士または児童指導員」の人員配置に含められる上、児童指導員と同様に福祉専門職員配置等加算を算定できます。資格取得に向けて積極的に支援すると、将来的には事業所の利益に大きく貢献してくれるでしょう。
まとめ
放デイで介護福祉士を採用すると、条件によっては人員配置基準を満たすだけでなく、加算の算定による収益アップが期待できます。開業や採用でお悩みの方は、放課後等デイサービスに強い「障がい福祉専門の税理士事務所」へ早めに相談しましょう。
参考文献