放課後等デイサービス(放デイ)では、令和3年度の報酬改定で欠席時対応加算(Ⅱ)が新設されました。「欠席しても加算が算定できるとは、どういうことだろう?」と疑問に思う方もいるでしょう。
そこで今回は放デイの欠席時対応加算について、その算定要件や報酬単価のほか、他事業所の算定状況も紹介します。
放課後等デイサービスの欠席時対応加算とは?
欠席時対応加算の算定要件や報酬単価は、それぞれ次のとおりです。
算定要件
欠席時対応加算Ⅰの算定要件は、次の4つになります。
- 利用者が利用予定日に急病などの理由で欠席する
- 欠席する前々日~当日に連絡を受けている
- 欠席した利用者やその家族に連絡調整、相談援助などを行っている
- 利用者の状況と相談援助の内容などを記録に残している
また、新設された欠席時対応加算Ⅱの算定要件は、次の3つです。
- 体調不良などにより、サービス提供時間が30分以下になっている
- 欠席理由について前日までに事業所が把握していない(予期せぬ急な欠席である)
- 利用者の状況と提供した支援内容などを記録に残している
欠席時対応加算Ⅱは、サービス提供時間が30分以下の場合に基本報酬が算定できないことを受けて、救済措置的に設けられました。ただし、徐々に放デイへ慣れていくために、30分以下のサービス提供が必要だと市町村が認めた場合は基本報酬の算定ができます。
報酬単価
欠席時対応加算の報酬単価は、Ⅰ・Ⅱともに94単位/回です。Ⅰは月4回が限度になっていますが、「定員充足率が80%未満」かつ「重症心身障がい児を支援する場合」に限り、月8回を限度とすることもできます。
一方、Ⅱは回数制限がありません。放デイの収益を少しでも確保するためにも、Ⅱの算定要件に該当する場合は積極的に算定していきたいところです。
放課後等デイサービスにおける欠席時対応加算の算定状況
厚生労働省のデータによると、令和元年6月の1か月間において欠席時対応加算を算定している事業所は全体の約7割になっています。これは、児童指導員等加配加算に次いで2番目に多い結果です。
なお、運営主体別の算定状況は次のようになっています。
運営主体 | 延長支援加算の算定率 |
NPO法人 | 73.2% |
医療法人 | 71.9% |
その他 | 71.4% |
営利法人 | 70.2% |
社会福祉法人 | 68.9% |
社会福祉協議会 | 55.3% |
自治体 | 38.0% |
この表から、社会福祉協議会や自治体を除くと、欠席時対応加算の算定率はほとんどの法人で高く、その差は小さいことがわかります。令和3年度の報酬改定により30分以下のサービス提供時間では基本報酬を算定できないことを受け、欠席時対応加算を積極的に取得している事業所が多いといえるでしょう。
まとめ
放デイの欠席時対応加算は、令和3年度の報酬改定によりサービス提供時間が30分以下になった際にも算定できるⅡが新設されました。加算の算定や経営でお悩みの方は、放課後等デイサービスに強い「障がい福祉専門の税理士事務所」へお早めに相談することをオススメします。
参考文献