共働き世帯が増えるとともに、需要の高まりが著しい放課後等デイサービス(放デイ)。とはいえ、利用前後に生じる送迎に負担を感じている保護者も少なくありません。
そのような保護者にとって、送迎サービスがある放デイは非常に助かります。事業所にとっても、やや遠方の障がい児も集客対象になるでしょう。
そこで今回は放デイの送迎サービスについて、送迎できる場所や具体的な流れはもちろん、送迎前後の注意点を紹介します。
放課後等デイサービスの送迎サービスとは
放デイの送迎サービスは、児童の自立を妨げない範囲で提供することが大前提です。その点を理解した上で、送迎場所や流れを見ていきましょう。
送迎場所
送迎できる場所は、おもに次の3つです。
- 自宅と放デイ事業所間
- 学校と放デイ事業所間
- (場合によっては)駅や集合場所と放デイ事業所間
いずれにしても、あらかじめ保護者と事業所とで話し合い、同意を得ておく必要があります。
また、上記に挙げたような送迎場所の場合、送迎加算の算定が可能です。送迎加算の基本的な報酬単価は、37~54単位/回(片道)。ただし、徒歩による付き添いで送迎する場合は加算の対象になりません。
送迎の流れ
放デイにおける送迎の流れ(授業日)は、次のとおりです。
- 下校時間に合わせて学校に利用者を迎えに行く
- 放デイで過ごす
- サービス終了時間に自宅へ利用者を送る
なお、児童と保護者が安心して送迎サービスを利用できるよう、LINEやメールなどを活用して送迎の予定時間などを共有している事業所も増えています。
放課後等デイサービスの送迎における注意点
放デイで送迎サービスを提供する際には、おもに次のような点に注意が必要です。
- 送迎のみを行う時間は営業時間に含めない
- 損害賠償保険へ加入する(保障の対象になるか確認する)
- 運転手以外の職員を1名以上配置する(重度心身障がい児を送迎する場合は必須)
- 学校の敷地内に車両を取り入れる際は最徐行を徹底する
- 学校へ迎えに行ったときは身分証を携行・提示する
- 送迎サービスを提供した旨を記録に残す
記録は最低限、次のような項目について残しておきましょう。
- 児童氏名
- 送迎の内容(迎え・送り)
- 出発時間や場所
- 到着時間や場所
- 連絡事項
- 運転手氏名
- 添乗者氏名
まとめ
放デイの送迎サービスは利用者が通いやすくなり、保護者の負担も減る、まさに一石二鳥のサービスです。事業所としても集客範囲が広がる、送迎加算が算定できるというメリットがあります。開業や経営でお悩みの方は、放課後等デイサービスに強い「障がい福祉専門の税理士事務所」へ早めに相談しましょう。
参考文献