精神障がい者による就労継続支援B型の利用は、知的障がい者に次いで2番目です。全体的な利用者数が急増している近年でも、その割合は変わっていません。
そこで今回は、精神障がい者数から見る就労継続支援B型の需要を紹介します。
就労継続支援B型の対象となる精神障がい者数の推移
厚生労働省のデータ(2016年時点)によると、精神障がい者数は次のとおりです。
総数 | 外来患者 | 入院患者 | |
総計 | 419.3 | 389.1 | 30.2 |
男性 | 172.2 | 158.5 | 13.7 |
女性 | 247.1 | 230.7 | 16.4 |
(単位:万人)
また、外来患者の年齢階級別データは、次のとおりとなっています。
2011年 | 2014年 | 2017年 | |
25歳未満 | 27.9 | 36.3 | 38.5 |
25~64歳 | 162.1 | 192.6 | 206.0 |
65歳以上 | 97.5 | 132.7 | 144.7 |
(単位:万人)
以上から、特に「25~64歳」の外来患者が増加傾向にあることがわかります。就労継続支援B型の対象年齢は、原則18歳以上。65歳以上の方も対象となることを考えると、就労継続支援B型は今後も高い需要が見込まれます。
就労継続支援B型が持つ「精神障がい者に対する役割」
就労継続支援B型は、一般企業や就労継続支援A型の利用が難しい方を支援する障がい福祉サービスです。就労継続支援B型が持つ「精神障がい者に対する役割」としては、次の3つが挙げられるでしょう。
- ソーシャルスキルの向上(仕事との向き合い方や人間関係の構築など)に向けた支援
- 利用者が主体的に行動できるようになる支援(健康状態の把握や障がい特性に応じた支援)
- 専門機関や家族、地域住民などとの連携による包括的な支援
特に、3つ目の地域連携は今後より重要になってきます。精神科への入院は「3か月以内」に退院することを目標とされており、地域で暮らしながら支援を受けられる体制が必要になるためです。
地域の中で「その人らしい暮らし」を実現する上で、就労継続支援B型は就労面から精神障がい者を支える役割を担う大切な事業なのです。
まとめ
就労継続支援B型を利用する精神障がい者は、年々増加しています。今後も、病院や地域と連携した包括的な支援が大切になってくるでしょう。開業や利用者確保についてお悩みの方は、就労継続支援B型に強い「障がい福祉専門の税理士事務所」へお早めに相談することをオススメします。
参考文献