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「障がい者グループホームは収益性が非常に高い事業!」と聞きつけ、新規参入する開業者が続々と増えてきています。しかし、本当に障がい者グループホームは収益性の高い事業なのでしょうか。

そこで今回は厚生労働省のデータを元に、障がい者グループホームの経営実態を紹介します。

 

サービス類型別にみた障がい者グループホームの経営実態

障がい者グループホームの収入と支出の内訳は、次のとおりです。

 

収入

・事業活動収益(自立支援費など)

・事業活動外収(借入金利息補助金収入)

・特別収益(本部からの繰入)

 

支出

・事業活動費用(給付費など)

・事業活動外費用(借入金利息)

・特別費用(本部への繰入)

 

収入から支出を差し引いたときに算出される「収支差」「収支差率」から、障がい者グループホームの経営実態をサービス類型別に見ていきましょう。

ちなみに、障がい者グループホームの運営母体はさまざまな法人がありますが、社会福祉法人においては会計時に「利益」という言葉は使用しません。そのため、今回は利益率を「収支差率」と統一して紹介します。

 

介護サービス包括型

介護サービス包括型で最も多い収支差率は、「5~10%」。令和元年度には新型コロナウイルス感染症の影響もあり、収支差率は下がりましたが、5%以上をキープしています。

 

経営概況調査 経営実態調査
平成29年度 平成30年度 令和元年度
収入 43,599 44,637 48,510
支出 40,817 40,172 44,984
収支差 2,782 4,465 3,525
収支差率 6.4% 10.0% 7.3%

(単位:千)

 

日中サービス支援型

日中サービス支援型で最も多い収支差率は、「15~20%」。しかし、「0~5%」「5~10%」の収支差率にとどまる事業所も多く、平均値は11.5%となっています。

 

経営概況調査 経営実態調査
平成30年度 令和元年度
収入 37,340 51,082
支出 31,064 45,233
収支差 6,276 5,849
収支差率 16.8% 11.5%

(単位:千)

 

外部サービス利用型

外部サービス利用型で最も多い収支差率は、「0~5%」と「5~10%」。他の事業よりも新型コロナウイルス感染症の影響が少なかったのか、平成30年度から令和元年度までの収支差率の減少幅は小さくなっています。

 

経営概況調査 経営実態調査
平成29年度 平成30年度 令和元年度
収入 18,521 19,200 21,474
支出 18,107 17,978 20,128
収支差 414 1,222 1,346
収支差率 2.2% 6.4% 6.3%

(単位:千)

 

他障がい福祉サービスとくらべると…

障がい福祉サービス全体の収支差率は、令和元年度で「5.0%」。収支差率が最も大きかったのは、日中サービス利用型の障がい者グループホーム。一方、収支差率が最も小さかったのは、保育所等訪問支援で「-0.3%」でした。

他は、1~5%台である障がい福祉サービスが多く、障がい者グループホームは比較的収益性が高いことがわかります。

 

まとめ

障がい者グループホームの経営は、成功すると安定的な収益の確保が可能です。経営についてお悩みの方は、障がい者グループホームに強い「障がい福祉専門の税理士事務所」へお早めに相談することをオススメします。

 

参考文献

令和2年障害福祉サービス等経営実態調査結果|厚生労働省

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