すべての働く人に適用される、労働基準法。実は、障がい者グループホームは労働基準法上、少し特殊な扱いとなっていることをご存知ですか。
今回は、障がい者グループホームの開業・運営に関わる労働基準法について、開業者なら絶対に知っておきたいことを2つ紹介します。
障がい者グループホームと労働基準法①労働時間と休憩時間
障がい者グループホームをはじめとした障がい福祉サービスは、労働基準法上における「保健衛生業」に該当します。これにより、「従業員10名未満であれば、法定労働時間は44時間を上限とする」かつ「交代制の休憩が可能な特例措置が適用される」ということになります。
36(サブロク)協定
障がい者グループホームでは、業務の進み具合や急患への対応で、時間外労働が発生することもあります。このように時間外労働の発生が予想される場合には、「36協定」の締結や労働基準監督署への届出が必須。
36協定に規定されている時間外労働の条件は、次のとおりです。
・時間外労働は月45時間、年360時間が上限
・月45時間を超えるのは、1年につき6か月まで
障がい者グループホームと労働基準法②有給休暇の取得
労働基準法では、有給休暇の取得についても定められています。有給休暇は正社員だけでなく、パート職員へも付与が可能。初出社した日から「6か月が経過した時点(試用期間含む)」で付与できることになっています。
比例的付与
パート職員などで週の勤務が4日以下、週の労働時間が30時間未満の場合、有給休暇は「比例的付与」という形がとられます。比例的付与とは、フルタイム従業員の有給休暇を基準として、比例的に減らした日数を付与するということです。
実際の有給休暇日数は、次の表を参考にしてみてください。
継続勤務年数 | 0.5年 | 1.5年 | 2.5年 | 3.5年 | 4.5年 | 5.5年 | 6.5年
以上 |
|
30時間以上 | 10日 | 11日 | 12日 | 14日 | 16日 | 18日 | 20日 | |
30時間
未満 |
5日以上 | |||||||
4日 | 7日 | 8日 | 9日 | 10日 | 12日 | 13日 | 15日 | |
3日 | 5日 | 6日 | 6日 | 8日 | 9日 | 10日 | 11日 | |
2日 | 3日 | 4日 | 4日 | 5日 | 6日 | 6日 | 7日 | |
1日 | 1日 | 2日 | 2日 | 2日 | 3日 | 3日 | 3日 |
まとめ
労働基準法の遵守は、障がい者グループホームでも非常に大切になってきます。労働環境についてお悩みの方は、障がい者グループホームに強い「障がい福祉専門の税理士事務所」へお早めに相談することをオススメします。
参考文献