居宅介護は障がい福祉、居宅介護支援は介護保険に含まれるサービスです。名称が似ていることから、「何が違うのか」「ややこしい」と感じる方も多いでしょう。
そこで今回は居宅介護と居宅介護支援の違いについて、対象者やサービス内容のほか、人員配置基準・収支差率まで紹介します。
居宅介護と居宅介護支援の違い
居宅介護と居宅介護支援の違いについて、4つの観点から見ていきましょう。
対象者の違い
対象者の違いは、下表のとおりです。
居宅介護 | 居宅介護支援 | |
対象者 | 障がい者・障がい児 | 高齢者 |
要件の概要 | 【原則】
・障がい支援区分1以上の方 【身体介護を伴う通院等介助を利用する場合】 ・区分2以上 ・認定調査項目で所定項目のいずれか1つ以上該当 |
要介護1~5の認定を受けた方 |
対象者の要件として判断される基準も、障がい支援区分と要介護認定とそれぞれ異なります。対象者の幅が広いという点は、共通しているといえるでしょう。
サービス内容の違い
サービス内容の違いは、下表のとおりです。
居宅介護 | 居宅介護支援 |
・身体介護
・家事援助 ・通院等介助 ・通院等乗降介助 ・生活に関する相談援助 など |
・ケアプランの作成
・モニタリング ・関係機関との連絡調整 など |
居宅介護は利用者に対して直接介助するのに対し、居宅介護支援は相談支援を主としています。実際に介助するのは、訪問介護など別の介護保険サービスということです。
このように居宅介護と居宅介護支援は名称こそ似ているものの、サービス内容はまったく異なることがわかります。
人員配置基準の違い
それぞれの人員配置基準は、下表のとおりです。
居宅介護 | 居宅介護支援 |
・管理者:常勤1人以上(※)
・サービス提供責任者(サ責):常勤1人以上 ・従業者:常勤換算で2.5人以上 |
・管理者:常勤1人以上(※)
・介護支援専門員(ケアマネジャー):常勤1人以上 |
※業務に支障がなければ兼務可能
サービス内容が大きく異なる分、従業者の配置有無も変わります。なお、居宅介護の管理者に資格要件はありません。一方、居宅介護支援の管理者は、原則「主任介護支援専門員」の資格を保有する者のみ従事できます。
収支差率の違い
居宅介護の収支差率は、令和に入ってから6〜8%ほどを維持しています。一方、居宅介護支援のデータは若干古いものの、平成26年度から令和元年度までではマイナス0.1〜3%ほどです。
なお、令和6年度には障がい福祉サービス、介護保険サービスともに報酬改定が行われています。今後の収支差率が変わる可能性もあるため、いずれの事業でも動向を注視すべきでしょう。
まとめ
居宅介護と居宅介護支援は名前は似ているものの、対象者やサービス内容はまったく異なるサービスです。経営や運営でお悩みの方は、居宅介護に強い「障がい福祉専門の税理士事務所」へお早めに相談することをオススメします。
参考文献