居宅訪問型児童発達支援とは、重度の障がいによって外出が難しい利用者やその家族に対して、訪問支援や相談援助などを行う障がい福祉サービスです。比較的新しいサービスですが、利用者数・事業所数ともに年々増加しており、需要の高さがうかがえます。
令和6年度には報酬改定によって、基本報酬の見直しや加算の新設などがなされました。そこで今回は居宅訪問型児童発達支援をピックアップし、報酬改定で変更された内容を紹介します。
居宅訪問型児童発達支援の報酬改定で変わったこと
居宅訪問型児童発達支援の報酬改定で見直されたのは、主に以下の3つです。
※福祉・介護職員等処遇改善加算など、サービス間で共通する見直し事項は省略しております
基本報酬の算定下限
訪問支援時間に下限を設定し、30分未満の場合は基本報酬を算定できないことになりました。この見直しは、効果的な支援の確保・促進を図る狙いがあります。
なお、報酬単価は1,066単位であり、令和3年度の1,035単位よりも約30単位上がっています。
加算の見直し
訪問支援員特別加算の報酬区分と算定要件が、以下のように見直されました。
算定要件の概要 | 報酬単価 | |
見直し前 | 保育士・児童指導員、作業療法士等で障がい児支援の経験が5年以上(※)の職員を配置
※その他職員は10年以上 |
679単位/日 |
見直し後 | 保育士・児童指導員、作業療法士等で障がい児支援の経験が5年以上(※)の職員を配置し、当該職員が支援
(Ⅰ)経験10年以上の職員 (Ⅱ)経験5年以上10年未満の職員 |
(Ⅰ)850単位
(Ⅱ)700単位 |
上記により、配置のみではなく実際の支援実施を評価する形へ変わっています。また、より経験のある支援員への評価を高めることで、支援の充実を図る狙いがあります。
加算の新設
令和6年度の報酬改定では、下表の加算が新設されました。
算定要件の概要 | 報酬単価 | |
多職種連携支援加算 | 訪問支援員特別加算の対象となる職員を含め、職種の異なる複数人で訪問支援を実施 | 200単位/回 |
強度行動障がい児支援加算 | ・実践研修を修了した職員を配置
・強度行動障がい児(基準20点以上)に対して、基礎研修または実践研修を修了した職員が支援 |
200単位/日 |
家族支援加算(Ⅰ)(Ⅱ) | 障がい児の家族に対して、個別(Ⅰ)またはグループ(Ⅱ)で相談援助などを実施 | (Ⅰ)80~300単位/回
(Ⅱ)60~80単位/回 |
多職種連携や家族支援などへの充実が、より一層求められる形になっています。
まとめ
居宅訪問型児童発達支援の報酬改定では、支援の充実に向けた加算の新設・見直しが行われました。経営や経理処理でお悩みの方は、居宅訪問型児童発達支援に強い「障がい福祉専門の税理士事務所」へお早めに相談することをオススメします。
参考文献