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生活介護の主な収益源は基本報酬ですが、指定基準などに沿った運営ができていないと減算の適用となり、受け取れる報酬額が減ってしまいます。とくに注意が必要な減算の1つが、短時間利用減算です。

そこで今回は同減算の適用条件や減額された際の計算シミュレーションのほか、例外となるケースを紹介します。

生活介護の短時間利用減算とは?

同減算の適用条件と減算率は、それぞれ以下のとおりです。

適用条件

同減算は、平均利用時間が5時間未満の方が全利用者の5割以上を占める場合に適用されます。平均利用時間の算出方法は、「直近の過去3か月における利用時間の合計÷利用日数」です。たとえば、以下の条件で計算してみましょう。

  • 月に12日利用=3か月で36日
  • 1回の利用時間は6時間
  • うち、3時間の利用が15日

直近の過去3か月における利用時間の合計÷利用日数

=(6時間×21回⁺3時間×15回)÷36日

=4.75時間

上記は平均利用時間が5時間未満となるため、減算が適用されます。なお、利用時間には送迎にかかる時間は含まれません。

減算率

同減算の減算率は30%、つまり基本報酬を従来の70%で計算する必要があります。令和6年度の報酬改定では短時間利用減算の見直しはなかったものの、基本報酬が大きく変更されました。そのため、減算率は同じでも、減算後の報酬額が変わる可能性が高くなっています。

たとえば、11人以上20人以下の基本報酬は、下表のとおりです。

【報酬改定後】定員11人以上20人以下の場合

区分6 区分5 区分4 区分3 区分2以下
3時間未満 517単位 386単位 268単位 239単位 218単位
3時間以上

4時間未満

646単位 483単位 335単位 300単位 273単位
4時間以上

5時間未満

774単位 578単位 401単位 358単位 327単位
5時間以上

6時間未満

904単位 676単位 469単位 419単位 381単位
6時間以上

7時間未満

1,258単位 941単位 652単位 583単位 532単位
7時間以上

8時間未満

1,291単位 966単位 669単位 598単位 545単位
8時間以上

9時間未満

1,353単位 1,027単位 730単位 660単位 607単位

計算しやすいよう全員の区分を4として計算すると、減算後の報酬額は以下のように算出できます。

【利用人数が20人、サービス提供時間が5時間以上6時間未満の場合】

報酬単価×人数×地域区分(10円)

=469単位×20人×10円

=93,800円

基本報酬×減算率(70%)

=93,800円×0.7

=65,660円

つまり、1日だけでも約3万円の減額となるため、なるべく適用は避けたい減算といえるでしょう。

生活介護の短時間利用減算が適用されない例外

以下のようにやむを得ない理由がある場合は、同減算の適用から除外できます。

  • 送迎に時間がかかる場合
  • 障がい特性などによって長時間の利用が難しい場合
  • 短時間の開所を運営規程で定めている場合(土日やイベント日など)

除外できるか判断が難しい場合は、管轄の行政庁や障がい福祉に精通した税理士などへ相談するとよいでしょう。

 

まとめ

生活介護の短時間利用減算は基本報酬が大きく減額される分、安定経営のためにはなるべく避けたい減算の1つです。経営や事務処理などでお悩みの方は、生活介護に強い「障がい福祉専門の税理士事務所」へお早めに相談することをオススメします。

参考文献

厚生労働省|生活介護に係る報酬·基準について≪論点等≫

厚生労働省|令和6年度障がい福祉サービス等報酬改定について

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