インボイス制度の影響は多方面に広がり、電気代もその1つです。障がい福祉サービスを展開する事業者としては、なるべく光熱費を抑えたいでしょう。しかし、インボイス制度によって電気代が高騰する可能性が出てきています。
そこで今回はインボイス制度と電気代について、値上げの理由や対策のほか、関連書類の取扱いを紹介します。
インボイス制度の開始で電気代は上がる?
インボイス制度の開始によって、電気代が上がる可能性は十分あります。電気会社が取引している売電者の中には、免税事業者の方も多いためです。免税事業者が多いと電気会社側の消費税負担が大きくなり、その損失を電気代の徴収でまかなう可能性があります。
金額としては、「1kW/hあたり0.007円」ほどとされていますが、総額にすると約58億円です。実際にはこの数値以上の値上げも起こりうるため、事業者は今後の動きを注視しながら節電や資金調達を進める必要があります。
インボイス制度による電気代アップへの対策
電気の使用量は事務所や施設など、物件の広さによって異なります。また、日中のみ稼働する通所系サービスと、24時間365日動く施設系サービスなど、展開するサービスによっても違ってくるでしょう。いずれにおいても、一般家庭と同じような節電対策が必要です。
- 省エネモードで照明を使用する
- 使っていない部屋の電気は消す
- 断熱シートやカーテンを活用する
- 冷蔵庫の開閉回数や開けている時間を減らす
- 古い家電類は省エネに優れた新しいものへ買い替える など
ただし、利用者や職員の健康を害するレベルの節電はNGです。節電する際は、あくまでも安全・安心な生活・働きができる程度にとどめましょう。
インボイス制度 電気代
中国電力を例に取ると、以下の書類がインボイスとして発行されるとのことです。
振込用紙 | 口座振替※1 | クレジットカード | |
インボイスとして発行される書類 | 電気料金請求書 | ・電気料金請求書(口座振替)
・電気料金領収書(口座振替) |
請求内容証明書 |
発行申し込み | 不要 | 条件によっては不要※2 | 必要 |
※1 会員制Webサイトに加入している場合は、基本的にWeb版が発行される
※2 特別高圧・高圧を利用している場合、書面での発行を希望する場合は申し込みが必要になる
管轄の電気会社がどのような対応を取っているか、あらかじめ確認し、不明な点は早期に解決しておくとよいでしょう。
まとめ
インボイス制度は、障がい福祉サービス事業者でも支出が多い電気代にも影響が及ぶ可能性があります。安定的な黒字経営を目指したい方は、インボイス制度にも強い「障がい福祉専門の税理士事務所」へ早めに相談しましょう。
参考文献
国税庁|消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A