就労移行支援の開業では、指定申請をするために法人を設立する必要があります。その選択肢の1つが、株式会社です。
しかし、初めて法人を設立する方からすると「よく聞く法人だが、どのようなメリットがあるのか」「何から手をつければよいのか」など疑問があるでしょう。そこで今回は就労移行支援で株式会社を設立するメリット・デメリットや、具体的な流れを紹介します。
就労移行支援で株式会社を設立するメリット
就労移行支援で株式会社を設立するメリットは、主に以下の3つです。
認知度が高く社会的な信用を得やすい
株式会社を設立する最大のメリットは法人種別がメジャーであり、ネームバリューがある点です。その分社会的な信用を得やすく、さまざまな企業や組織などとの関係性を構築・維持しやすくなります。
実際、障がい福祉サービスの新規開業では株式会社を選ぶところが多く、就労移行支援でも営利法人は30.2%にのぼっています(厚生労働省のデータより)。
資金調達しやすい
株式会社は、資金調達の面でも優れた選択肢です。株式会社は信頼性が高いため、株式発行を通じて投資家からの出資も期待できます。
また、株式会社を設立する時点である程度の資金が必要な分、資金力があるとして金融機関からの融資を受けやすい点もメリットといえるでしょう。
就労移行支援で株式会社を設立するデメリット
就労移行支援で株式会社を設立するデメリットは、主に以下の2つです。
設立費用が高額になる
株式会社のデメリットは、設立費用が高額になりがちな点です。登記申請などに約20万円以上かかるうえ、法人印作成代などが別途かかります。
法務などに関するコンサルティングを受ける場合は、さらに数十万円以上かかるケースも少なくありません。設立費用をカバーするためには、資金調達計画や予算編成が必要です。特に資金が限られている場合は、慎重に計画を立てましょう。
会計処理が複雑になる
株式会社として運営する場合、会計処理が複雑になることがあります。法定の帳簿や記録を管理し、税金申告を行うための専門知識や経験が必要です。
また、株主に対する配当や株主総会の運営など、法的な義務も発生します。会計処理と法的な要件を適切に遵守するためには、税理士などの専門家によるサポートが必須といえるでしょう。
就労移行支援で株式会社を設立する流れ
就労移行支援の開業で株式会社を設立する場合、おおまかに言うと以下のような流れで手続きを進めます。
- 法人商号(会社名)の決定
- 定款の作成
- 法人印の作成
- 登記の申請
- 資本金の払い込み
- 印鑑証明の取得
- 自治体へ法定届出
定款には就労移行支援を行う旨を明記し、事業拡大の一環として将来的に開始するサービスがある場合もあらかじめ盛り込んでおくとよいでしょう。
まとめ
就労移行支援の開業時に株式会社を設立する際は、相応の資金を準備するのはもちろん、会計処理などに関するサポート体制を構築することが必要です。
開業にあたって株式会社を設立したい方は、就労移行支援に強い「障がい福祉専門の税理士事務所」へお早めに相談することをオススメします。
参考文献