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就労移行支援では、就労を希望する対象者を短期間契約できる「トライアル雇用」という制度を利用できます。しかし、トライアル雇用や関連する加算の取扱いがわかりにくいために、活用できていない事業者も多いでしょう。

そこで今回はトライアル雇用の概要を踏まえながら、就労移行支援での扱いについて紹介します。

 

トライアル雇用とは

まずは、トライアル雇用できる対象者や制度を活用したときに受け取れる助成金、そして利用するときの全体の流れを見ていきましょう。

対象者

トライアル雇用できる対象者は、「障がい者の雇用の促進等に関する法律第2条第1号」に定められた障がい者です。さらにその障がい者は以下の条件に当てはまり、かつ週20時間以上の勤務ができる必要があります。

 

  1. 紹介日時点で未経験の職業に就くことを希望している
  2. 紹介日前日時点で過去2年以内に2回以上転職・離職を繰り返している
  3. 紹介日前日時点で直近の離職期間が6か月以上である
  4. 重度の身体障がい者・知的障がいまたは精神障がいを有する

 

4.に当てはまる場合は、1.〜3.の条件を満たしていなくても対象者となります。なお、対象者は、障がい者手帳の所持が必須ではありません。

助成金

トライアル雇用に関連した助成金を受け取るには、事前にハローワークへ求人を提出し求職者の紹介を受けることが必要です。その後、対象者を有期雇用で採用(原則3か月間)することによって、助成金が受け取れます。

助成金の金額は4万円/月ですが、対象者が母子家庭の母や父子家庭の父の場合は5万円/月となります。

利用の流れ

トライアル雇用を活用して助成金を受け取るまでの一連の流れは、以下のとおりです。

 

  1. 事業者がハローワークへトライアル雇用求人を提出
  2. ハローワークからの紹介による求職者と面接
  3. 原則3カ月の短期雇用で採用
  4. トライアル雇用開始日から2週間以内にハローワークへ必要書類を提出
  5. 試用期間終了後に本採用か不採用の決定
  6. 試用期間終了後から2カ月以内にハローワークか労働局へ助成金支給申請書を提出
  7. 助成金の受け取り

 

試用期間中に対象者が離職したり正式に採用したりしたときは、助成金の金額が変わるため早期にハローワークへ連絡しましょう。

就労移行支援とトライアル雇用は併用できる?

結論から言うと、トライアル雇用は就労移行支援との併用が可能です。条件を満たせば、トライアル雇用に対する助成金と就労移行支援体制加算の報酬額、双方を受け取れます。

また、トライアル雇用期間で対象者の適性などを見極めることによって、就職先でのミスマッチを事前に避けられます。職場定着率の向上が期待できるため、事業者としての評価も上げられるでしょう。

就労移行支援体制加算におけるトライアル雇用の取扱い

就労移行支援体制加算の算定要件は、前年度に一般就労後6か月が経過した利用者がいることで算定できます。しかし、就労移行支援を利用しながらのトライアル雇用は、「施設外支援」にあたります。

つまり、トライアル雇用中はあくまでも就労移行支援の利用者であり、就労移行支援体制加算は算定できません。

まとめ

就労移行支援とトライアル雇用は併用可能であり、条件を満たすことで助成金を受け取れます。しかし、トライアル雇用期間中は一般就労として取り扱わない点に注意しましょう。

集客や経営でお悩みの方は、就労移行支援に強い「障がい福祉専門の税理士事務所」へお早めに相談することをオススメします。

 

参考文献

障がい者の就労支援について|厚生労働省

令和3年度障がい福祉サービス等報酬改定について|厚生労働省

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