障がい支援区分は、障がい福祉サービスを使用する場合に必要になるケースが多いものです。しかし、サービスによって必要・不要が異なるため、「結局のところ、就労移行支援は区分認定が必要なのか」と疑問に思う方も多いでしょう。
そこで今回は、障がい支援区分の種類や認定までの流れを踏まえながら、就労移行支援における必要性や区分認定を受けるメリットを紹介します。
障がい支援区分とは
障がい支援区分は「必要な支援の度合い」を示すものであり、「障がいの種類や程度」を示す障がい者手帳と異なります。障がい支援区分の種類や認定の流れは、それぞれ次のとおりです。
区分の種類
障がい支援区分は1〜6という、6つの分類があります。支援のレベルがもっとも軽いものが区分1、もっとも高いものは区分6です。どの区分にも当てはまらない、つまり支援の必要性が認められない場合は「非該当」となります。
区分認定の流れ
区分認定の流れは、次のとおりです。
- 申請者から市町村への申請
- 訪問調査員による認定調査(対象は本人および家族)
- 主治医の意見書
- 一次判定(コンピューター判定)
- 二次判定(市町村審査会)
- 市町村による認定
- 申請者への通知
区分認定までにかかる期間は、約2か月といわれています。なお、障がい支援区分の有効期間は原則3年間です。期間以降も障がい福祉サービスを利用する場合は、再び認定調査を受ける必要があります。
就労移行支援は区分認定なしでも利用できる?
結論から言うと、就労移行支援は以下に挙げるサービスと同様に区分なしでも利用できます。
- 自立訓練(機能訓練・生活訓練)
- 就労継続支援(A型・B型)
- 就労定着支援
- 自立生活援助
- 共同生活援助(介護を必要としない場合)
利用希望者から区分認定の有無について尋ねられた場合は、なしでも利用できることを伝えましょう。ただし、次項で紹介するように認定を受けることで得られるメリットもあります。利用希望者の状況によっては、区分認定の手続きを勧めることも大切です。
就労移行支援の利用者が区分認定を受けるメリット
区分認定を受けると、介護給付に含まれるサービスも利用できます。そのため、心身の状況によってはあらかじめ区分認定を受けておき、利用できるサービスの選択肢を広げておくことも大切です。
また、車いすなどの購入・修理にかかる費用を受給できる「補装具支援制度」や、障がいにかかわる医療費の負担軽減ができる「自立支援医療」も受けられます。就労だけでなく、生活の支援も受けたいという希望がある場合は、区分認定を勧めましょう。
まとめ
就労移行支援は、障がい支援区分認定なしでも利用できます。しかし、区分認定を受けることで得られるメリットもさまざまあるため、特にこだわりがない限りは一度申請してみることをおすすめします。
集客や運営でお悩みの方は、就労移行支援に強い「障がい福祉専門の税理士事務所」へ早めに相談しましょう。
参考文献