就労移行支援は、就労を希望する障がいのある方を、一般企業へ就職できるようにサポートします。利用者へ支援を提供するにあたり、事業者自身もメリット・デメリットを把握することが大切です。
そこで今回は就労移行支援のメリット・デメリットを、それぞれ紹介します。
就労移行支援を利用する3つのメリット
就労移行支援のメリットは、主に次の3つです。
一般就労に必要な知識やスキルを身に付けられる
就労移行支援では、次のような一般就労に必要な知識やスキルを身に付けられます。
- ビジネスマナー(挨拶や身だしなみなど)
- 集団活動によるコミュニケーション能力
- 各職業の実務スキル など
また、人事担当者の講義や就労移行支援事業所OBの体験談を聞くことで、働くうえで必要な心構えも学べます。就労系サービスの中でも、より実践的な知識やスキルを習得できる点が大きなメリットです。
生活リズムが安定し体調を管理しやすい
働き続けるためには生活リズムを整え、自己の体調についてセルフコントロールできるようにする必要があります。就労移行支援へ定期的に通うことは、その準備段階といえます。
また、体調管理が少しずつできるようになると、通所日数を増やすことも可能です。連勤に耐えられる体力・精神力が身に付き、就職先の選択肢もおのずと増えるでしょう。
自分に合った職場を見つけられる
就労移行支援のメリットは、自分に合った職場を見つけられる点にもあります。就労支援員などが利用者の得手不得手を分析し、「どのような職場であれば働き続けられるか」を見極めてくれるためです。
場合によっては就職面接に同行し、利用者のサポートや企業への情報提供なども行います。第三者による客観的な情報が双方に渡ることで、就職後のミスマッチも大きく減らせるのです。
就労移行支援を利用する2つのデメリット
就労移行支援のデメリットは、主に次の2つです。
通所中は収入を得る手段がほぼない
就労移行支援に通所している期間は、基本的にアルバイトや仕事が禁止されています。そのため、通所中は収入を得る手段がほとんどない点がデメリットです。
ただし、障害年金や生活保護は受け取れます。通所中の収入が利用開始におけるネックとなっている場合は、管轄の行政庁や障がい福祉課へ相談するとよいでしょう。
利用料金がかかる
前述のように収入を得る手段がない中でも、就労移行支援の利用では約1割の自己負担が発生します。ただし、世帯収入によっては自己負担額が大きく軽減、あるいは無償になるケースも少なくありません。
こちらも利用前に行政へ相談し、利用希望者がスムーズに通所できるようサポートしましょう。
まとめ
就労移行支援の利用にはメリットはもちろん、デメリットもあります。事業所側としては利用者を確保するためにも、デメリットを払拭するサポートも必要です。
開業や運営でお悩みの方は、就労移行支援に強い「障がい福祉専門の税理士事務所」へお早めに相談することをオススメします。
参考文献