児童発達支援の物件は火災に備え、消防法に基づく準備が必要です。しかし、床面積によって設置が義務付けられているものが異なるため、「開業する物件には何が必要か、よくわからない」という方もいるでしょう。
そこで今回は児童発達支援に必要な設備や、防火対策について紹介していきます。
児童発達支援と消防法①必要な設備
児童発達支援は消防法上、「6項ハ」という分類に属しています。6項ハに必要な設備は、下表のとおりです。
消防用設備 | 床面積 |
消化器 | 150㎡以上 |
自動火災報知設備 | 入居・宿泊あり:すべて設置 入居・宿泊なし:300㎡以上 |
火災通報装置 | 500㎡以上 |
スプリンクラー設備 | 6000㎡以上 |
屋内消火栓設備 | 基準:700㎡以上
2倍:1400㎡以上 3倍:2100㎡以上 |
ただし、構造・階数などによって設置基準が異なる場合があります。具体的かつ詳細な条件については、管轄の消防署へ確認すると安心でしょう。
児童発達支援と消防法②防火対策
児童発達支援のような6項ハに該当する施設には、防火管理者の選任が義務付けられます。防火管理者の選任方法と責務は、それぞれ次のとおりです。
防火管理者の選任
防火管理者とは、施設内で火災予防対策を立案する責任者です。選任するためには、以下の書類が必要になります。
- 防火管理者選任(解任)届出書:防火管理者の選任や解任を報告する書類
- 消防計画作成(変更)届出書:消防計画を作成する際に提出する書類
防火管理者は防火管理に関する知識を持ち、責任感と実行力を兼ね備えた監督的な地位にある方が適任です。選任後は、防火管理者自身が必要な知識や技術を身につけ、常に最新の情報をアップデートしていくことが求められるでしょう。
防火管理者の責務
防火管理者は施設内での防火対策に責任を持ち、以下のような責務を担います。
- 消防計画の作成
- 消防計画に基づく消防訓練の実施
- 消防用設備等の点検および整備
- 火気の使用又は取扱いに関する監督
- 避難又は防火上必要な構造および設備の維持管理
- 収容人員の管理
- その他防火管理上必要な業務
防火管理者は、火災の発生を未然に防ぐために全力を尽くします。ただし、実際に火災が発生したときは管理者だけでなく、職員全員が迅速に行動する必要があります。
児童発達支援の利用者を守り、職員自身も自分の命を守れるよう、日頃から防火に対する意識を高めることも大切です。
まとめ
児童発達支援で利用する物件は、消防法にのっとった設備設置と防火管理者の選任が必要です。指定申請や開業準備でお悩みの方は、児童発達支援に強い「障がい福祉専門の税理士事務所」へお早めに相談することをオススメします。
参考文献