児童発達支援の利用者は未就学児であり、急病などで利用をキャンセルするケースも少なくありません。そのようなとき、経営者が心配になるのがキャンセルによる収入減です。しかし、児童発達支援には利用者が欠席した際に算定できる「欠席時対応加算」があります。
そこで今回は欠席時対応加算の算定要件や報酬単価はもちろん、算定時の注意点について紹介します。
児童発達支援の欠席時対応加算とは?
まずは、児童発達支援で算定できる欠席時対応加算の要件や単価を見ていきましょう。
算定要件
欠席時対応加算の算定要件は、次の3つです。
- 利用予定日に、急病などで利用がキャンセルになる(前々日〜当日に連絡)
- 欠席した利用者や保護者に対して、連絡調整や相談援助を行う
- 上記について記録を残している
なお、放課後等デイサービス(放デイ)では欠席時対応加算が(Ⅰ)と(Ⅱ)の2種類があります。児童発達支援は(Ⅰ)のみのため、特に放デイを併設している事業所は混同しないよう注意しましょう。
報酬単価
児童発達支援で算定できる欠席時対応加算の報酬単価は94単位/回であり、原則月4回算定できます。ただし、重症心身障がい児を支援する児童発達支援では、定員充足率が80%未満の場合に限り月8回まで算定可能です。
たとえば、次のような事業所があったとしましょう。
- 定員10名の児童発達支援事業所
- 実利用人数は7名
- 欠席時対応
○ 利用者A 1回
○ 利用者B 1回
○ 利用者C 2回
○ 利用者D 2回
この場合、定員充足率が70%のため、月8回まで欠席時対応加算を算定できます。上記では欠席時対応が6回のため、報酬額は次のように算出可能です。
報酬単価×回数×地域区分(10円)
=94単位×6回×10円
=5,640円
児童発達支援の欠席時対応加算における注意点
欠席時対応加算は届け出や受給者証への記載は不要ですが、実績記録表への記載は必要です。記録には、次のような内容を最低限載せましょう。
- 利用キャンセルとなった日時
- 欠席理由や利用者の状況
- 次回の利用予定日
- 相談援助の内容
- 担当職員の氏名 など
なお、欠席時対応加算は基本料金とは別に支払いが必要です。そのため、自己負担がある利用者の保護者にはあらかじめ伝える、あるいは料金表に明記するとよいでしょう。
まとめ
児童発達支援の利用者が欠席した際は、一定の条件を満たすと欠席時対応加算を算定できます。加算の算定や経営でお悩みの方は、児童発達支援に強い「障がい福祉専門の税理士事務所」へ早めに相談しましょう。
参考文献