超高齢社会の日本では、高齢者の心身機能を維持するリハビリが重視されています。それは、障がい児の分野でも同じです。とくに児童発達支援では就学に向けて、生活能力の維持・向上を目指した訓練の実施が求められます。
そこで今回は代表的なリハビリ職である理学療法士・作業療法士の、児童発達支援における役割や人員配置基準などについて紹介します。
児童発達支援の理学療法士・作業療法士①役割や仕事内容
理学療法士や作業療法士が児童発達支援で担うもっとも大きな役割は、専門知識やスキルを活かした療育です。療育とは、個々の障がい特性や課題を踏まえながら、将来的な自立と社会参加を促す支援を指します。
理学療法士や作業療法士は障がいの知識はもちろん、心身機能の維持・向上に向けて必要な訓練・環境整備について熟知している職種です。質の高い療育の実施は利用者の発達を促し、保護者からの満足度向上も期待できます。
児童発達支援の理学療法士・作業療法士②人員配置
実は、児童発達支援の人員配置では理学療法士や作業療法士の区分はありません。そのかわり、児童発達支援では機能訓練担当職員として配属されます。機能訓練担当職員の人員配置は、下表のとおりです。
重症心身障がい児以外を通わせる場合 | 重症心身障がい児を通わせる場合 | |
人数 | 機能訓練を行う場合のみ配置 | 1人以上 |
常勤要件 | 要件なし | |
配置時間 | 機能訓練を行う時間帯のみ配置 |
なお、機能訓練担当職員は看護師と同様に、専門業務を行う時間帯以外は児童指導員や保育士の人員配置にカウントできます。また、理学療法士や作業療法士といった専門職員は常勤換算で1.0人以上配置すると、児童指導員等加配加算の算定が可能です。
サービスの質の向上に向けて人員配置を手厚くしている事業所は、加配加算の算定も積極的に検討していきましょう。
児童発達支援の理学療法士・作業療法士③平均年収
児童発達支援に勤務する理学療法士・作業療法士、つまり機能訓練担当職員の平均年収は常勤が約342万円、非常勤が約210万円です。医療型児童発達支援では常勤の平均年収が約661万円まで跳ね上がりますが、その分業務負担量が多くなると推測されます。
まとめ
児童発達支援に理学療法士や作業療法士を配置すると、質の高い療育による利用満足度向上や集客力アップが期待できます。人員配置や運営でお悩みの方は、児童発達支援に強い「障がい福祉専門の税理士事務所」へ早めに相談しましょう。
参考文献